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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成23(行ウ)609等

事件名

 行政処分取消請求事件(第1事件)行政処分取消請求事件(第2事件)

裁判年月日

 平成25年10月29日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 厚生労働大臣の指示によりイレッサ訴訟問題検証チームが作成した同訴訟における和解勧告に係る調査報告書のうち関係者からの事情聴取に係る回答内容をまとめた聴取記録が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書き所定の不開示情報(事務事業情報)に当たるとされた事例
2 厚生労働大臣の指示によりイレッサ訴訟問題検証チームが作成した同訴訟における和解勧告に係る調査報告書のうち関係者からの事情聴取に係る回答内容をまとめた聴取記録が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書き及びロ所定の不開示情報(争訟事務情報)に当たるとされた事例
3 厚生労働大臣の指示によりイレッサ訴訟問題検証チームが作成した同訴訟における和解勧告に係る調査報告書のうち関係者からの事情聴取に係る回答内容をまとめた聴取記録が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条5号所定の不開示情報(意思形成過程情報)に当たるとされた事例
4 厚生労働大臣の指示によりイレッサ訴訟問題検証チームが作成した同訴訟における和解勧告に係る調査報告書のうち関係者からの事情聴取に係る回答内容をまとめた聴取記録に記録されている個人に関する情報が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条1号イ(公にされている情報)又はハ(公務員等の職務遂行情報)所定の情報に当たらないとされた事例
5 厚生労働大臣の指示によりイレッサ訴訟問題検証チームが作成した同訴訟における和解勧告に係る調査報告書のうち関係者からの事情聴取に係る回答内容をまとめた聴取記録中の被聴取者である学会関係者の氏名,押印,所属する学会名及び役職,過去に役員であった学会名及び当該過去の役職並びに回答内容及び訂正内容が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報(法人等情報)に当たるとされた事例

裁判要旨

 1 厚生労働大臣の指示によりイレッサ訴訟問題検証チームが作成した同訴訟における和解勧告に係る調査報告書のうち関係者からの事情聴取に係る回答内容をまとめた聴取記録は,同事情聴取が厚生労働省において職務の執行の観点から不適正な行為があったかどうかを判定することを目的として,回答記録を公表しないことを前提として被聴取者から任意の協力を得て行われたこと,前記検証チームが前記聴取記録などに基づいて作成した調査報告書を公表していること,厚生労働省が前記行為をした関係職員に対して訓告等の措置を執っていることなど判示の事情の下では,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書き所定の不開示情報(事務事業情報)に当たるとした事例
2 厚生労働大臣の指示によりイレッサ訴訟問題検証チームが作成した同訴訟における和解勧告に係る調査報告書のうち関係者からの事情聴取に係る回答内容をまとめた聴取記録は,裁判所からの和解勧告に対して国の関係機関がいかなる検討を行っていたのか,医薬食品局の職員は学会関係者等とどのような接触をしていたのか,接触した学会関係者等は和解勧告に関してどのような意見を有していたのかなどの点に関する具体的な事実関係からなるものであること,当時,イレッサ訴訟は控訴審に係属中であり,これと同種訴訟が将来係属する可能性があることなど判示の事情の下では,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書き及びロ所定の不開示情報(争訟事務情報)に当たるとした事例
3 厚生労働大臣の指示によりイレッサ訴訟問題検証チームが作成した同訴訟における和解勧告に係る調査報告書のうち関係者からの事情聴取に係る回答内容をまとめた聴取記録は,裁判所からの和解勧告に対して国の関係機関間でどのような協議を行っていたのか,医薬食品局の職員は,局議でどのような協議を行っていたのか,接触すべき学会関係者等やその接触結果についてどのような協議を行っていたのかといった情報を含むことなど判示の事情の下では,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条5号所定の不開示情報(意思形成過程情報)に当たるとした事例
4 厚生労働大臣の指示によりイレッサ訴訟問題検証チームが作成した同訴訟における和解勧告に係る調査報告書のうち関係者からの事情聴取に係る回答内容をまとめた聴取記録に記録されている氏名,役職,所属する学会名等の個人に関する情報は「ガイドブック厚生労働省」又は当該学会若しくは当該国立大学法人のホームページにより公表されていることがうかがわれるが,これらは前記被聴取者の回答内容,訂正内容に係る情報と一体となって特定の個人を識別する情報を構成しており,前記事情聴取の対象となったという属性を帯びていること,当該回答内容は厚生労働省において職務の執行の観点から不適正な行為があったかどうかを判定するために行われた前記事情聴取に対する応答であるなど判示の事情の下では,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条1号イ(公にされている情報)及びハ(公務員等の職務遂行情報)所定の情報に当たらないとした事例
5 厚生労働大臣の指示によりイレッサ訴訟問題検証チームが作成した同訴訟における和解勧告に係る調査報告書のうち関係者からの事情聴取に係る回答内容をまとめた聴取記録中の被聴取者である学会関係者の氏名,押印,所属する学会名及び役職,過去に役員であった学会名及び当該過去の役職並びに回答内容及び訂正内容は,医学関係の学会に所属し又は所属した者が前記事情聴取の対象となったことなどに関する情報であること,同訴訟における和解勧告に対する学会等の見解等公表に先だって厚生労働省職員が関与していた問題について,同問題に関係したとされる学会等に対して弁護団や各種報道機関等から強い批判がされていたことなど判示の事情の下では,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報(法人等情報)に当たるとした事例

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