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裁判所トップページ > 各地の裁判所 > 東京地方裁判所 > 裁判手続きを利用する方へ > 民事第9部(保全部)紹介 > 担保取消しの手続


5. 担保取消しの手続

ア. 担保の取消等手続

民事保全手続において,当事者等が立てた担保を取り戻したいときには民事訴訟法(以下「民訴法」という。)79条の1項から3項までのいずれかの事由により担保の取消しを求めることになります(簡易の取戻しについては後記6)。

担保を立てることを命じられる場合としては,民事保全法に基づく場合のほかに,強制執行停止申立事件等の場合もありますが,ここでは,当部に多く申し立てられる保全命令の担保について説明します。

イ. 担保取消等についての係からのお知らせ

(1) 担保取消しと執行取消しを同時に申し立てる場合の注意事項

(a) 担保取消しの申立てを民訴法79条3項(権利行使催告)でされる場合は,先に執行取消し(保全事件の取下げ)をする必要があります。
(b) 担保取消申立事件においては当事者を申立人,被申立人と表示しますので,債権者,債務者と表示された当事者目録(保全命令取下書と同じもの)を提出しないようご注意ください。

(2) 担保取消しの申立てをしてから供託(支払保証委託契約)原因消滅証明書を交付するまでにかかる日数の目安

1. 民訴法79条2項(同意)・・・・・・・約1週間
2. 民訴法79条1項(勝訴等)・・・・・・約1か月
3. 民訴法79条3項(権利行使催告)・・・約2か月
* 記録が当部に保管されていない場合は,記録の取寄せに上記日数のほか若干の日数を要しますので,ご了承ください。
* 担保取消申立ての書類審査の結果,申立書に不備があった場合や,被申立人への送達ができない場合には,裁判所から申立人に連絡いたします。その間手続は進行しません。
* 「供託(支払保証委託契約)原因消滅証明申請」は,交付時に申請があったものとして処理していますので,事務処理上申請書の日付は空欄にして提出してください。

(3) 係からのお願い

「供託(支払保証委託契約)原因消滅証明書」の郵便交付を希望する方は,申立書提出の際,切手を貼付した返送用封筒をご持参ください。

ウ. 担保取消申立てに必要な書類等一覧表

【表6】

*担保取消し-民事訴訟法79条1項~3項

担保取消し

*判決書や和解調書は,謄本で可(又は正本とその写しを提出してください。 )

事案によって必要になる書類

  • 保全命令発令時から5年以上経過している場合
    申立人の新たな委任状
  • 当事者の本店所在地,名称,代表者,住所,氏名等に変更がある場合
    法人の場合は資格証明書
    自然人の場合は戸籍謄本又は住民票
  • 当事者本人が保全事件の申立書に使用した印鑑と異なる印鑑で担保取消しの申立てをする場合
    申立人の印鑑証明書
  • 破産管財人が担保取消しに同意する場合
    破産管財人であることの証明書,同印鑑証明書,(担保金額が100万円を超える場合は担保取消しに同意すること及び抗告権を放棄することの破産裁判所の許可書)

*提出書類には,上部欄外に作成者の印鑑で捨印を押してください。

*被申立人の宛名シールをご持参ください(特に,多人数の場合には,必ず宛名シールをご用意ください。)。

*書類の提出や受領,お問合わせは,午前中に行うように御協力ください。

エ. 担保取消しの申立書の提出

* 管轄・・・担保提供を命じた裁判所と解されています。

* 申立人は,担保提供者又はその承継人(提供者が債権者以外の第三者であればその第三者が申立人となります)。被申立人は,担保権利者又はその承継人(相続人の有無が明らかでなく,財産管理人が選任されていない場合には特別代理人の選任を要します。担保権利者の破産により破産管財人が選任されている場合には,破産管財人が被申立人となります。)。

(1) 担保の事由が消滅した場合(民事保全法4条2項,民訴法79条1項)

保全命令が終局的に正当なものとして認められ,相手方である担保権利者(債務者)の損害賠償請求権が発生する可能性がない場合(本案訴訟において債権者勝訴の判決が確定した場合(保全命令の被保全権利と本案訴訟で認容された権利が同一であること),請求を認諾した場合,債権者が全面的に勝訴したのと同じ内容の訴訟上の和解や調停が成立した場合などです。

(2) 担保権利者の同意による場合(民事保全法4条2項,民訴法79条2項 )

担保権利者の同意とは,担保権利者がその担保権を放棄する意思を表示した場合のことで,担保権利者の同意の意思は書面によって証明することを要します。

(3) 権利行使の催告により同意が擬制される場合(民事保全法4条2項,民訴法79条3項)

訴訟が完結したときは,裁判所は,担保提供者の申立てにより,担保権利者に対して一定期間内に損害賠償請求権を行使すべき旨を催告します。
民事保全の場合には本案訴訟が確定(未提起の場合を除く)していることに加え,保全命令の取下げが必要となります。

そして,担保権利者がその期間内に権利を行使しなかった場合は,担保取消しに同意したものとみなされ,担保取消し決定をします。

オ. 担保取消申立てについてのQ&A

Q1 保全命令の担保を取り戻すことについて,法務局から供託原因消滅証明書書を裁判所でもらってくるように言われました。どのようにするとその証明書をもらえますか。

A 保全命令発令のための担保の場合,民事保全規則17条1項所定の場合であれば担保取戻し,それ以外の場合であれば担保取消しの手続が必要になります。このホームページ(「民事第9部(保全部)紹介」の5番)で書式も含めて手続案内をしていますので,そちらをご覧ください。

Q2 このホームページに担保取消申立時に必要な郵便切手は1072円とありますが,郵便切手の組合わせはどうなりますか。

A 担保取消決定正本等を被申立人に送達するための特別送達費用として1072円が必要になります。内訳は,なるべく少ない枚数(例えば,1000円切手を1枚,62円切手を1枚,10円切手を1枚)でお願いします。

Q3 民事第9部以外の部(例:労働部)が保全命令の発令をした事件でも,担保取消しの申立ては民事第9部にすることでよいですか。

A 東京地裁(民事執行センターを除く。)で担保提供を命じた事件については,すべて民事第9部で担当しています。

Q4 債権者代理人が担保取消しの申立てをする場合,別途,委任状が被必要になりますか。

A 保全事件の債権者代理人が担保取消しの申立てをする場合は,委任状の提出は必要ありません。ただし,保全命令が発令されてから5年を経過している場合には,改めて委任の意思を確認する必要があることから委任状の提出をお願いしています。

Q5 担保取消しの申立てを考えています。債務者は2名で,供託は債務者ごとにしていますが,1通の申立書で債務者2名に対する申立てはできますか。

A 申立書1通でも申立てはできますが,手続を円滑に行うため,これから作成するのであれば,供託書ごとに申立書を作成することをおすすめします。

Q6 本案の勝訴判決が確定したので事由消滅による担保取消しの申立て(民事訴訟法79条1項)をする予定です。申立時に判決正本とその写しを持参すれば良いですか。

A そのとおりです。受付窓口で判決正本とその写しを照合した上で,その場で判決正本を返還します。なお,本案が高等裁判所や最高裁判所で確定した場合は,各審級の判決正本又は決定正本とその写しが必要になります。また,本案が地方裁判所又は高等裁判所で確定した場合は,勝訴判決の確定証明書も必要になります。

Q7 本案勝訴判決が確定したので事由消滅による担保取消しの申立てをする予定です。判決確定証明書は原本を提出する必要がありますか。

A 原本を提出してください。保全事件が複数ある場合にも保全事件ごとに原本が必要です。

Q8 本案勝訴判決が確定したので事由消滅による担保取消しの申立てをする予定です。最高裁で上告棄却及び上告受理申立てを受理しない決定がされたのですが,判決確定証明書は必要ですか。

A Q6で説明しましたとおり,各審級の判決正本又は決定正本とその写しを提出して頂ければ,判決確定証明書は必要ありません。それ以上の不服申立てができないことが明らかだからです。

Q9 訴訟外で和解ができたため,同意による担保取消しの申立て(民事訴訟法79条2項)をする予定です。債務者には代理人がついています。債務者本人,代理人弁護士の印鑑証明書を出す必要がありますか。

A 弁護士が代理人として,弁護士の職印で同意書を作成する場合は,債務者本人の印鑑証明書は必要ありません。この場合,債務者から代理人弁護士への「担保取消しの同意,担保取消決定正本の受領,担保取消決定に対する即時抗告権の放棄」に関する委任状が必要です。代理人弁護士の印鑑証明書は必要ありません。

Q10 権利行使催告の方法による担保取消しの申立て(民事訴訟法79条3項)をする場合,注意する事項はありますか。

A 権利行使催告の方法による担保取消しの申立てをする場合は,訴訟が完結していることが必要です。訴訟の完結とは,「担保権利者の損害賠償請求権の発生する範囲及び額の確定により,損害賠償請求権を算定し,行使するのに支障のない状態になった場合」をいいます。したがって,本案訴訟を提起をしている場合は訴訟の終了及び保全事件の取下げが必要です。なお,執行官が保全執行機関となっている事件(占有移転禁止の仮処分,動産の仮差押えなど)は,保全執行を取り下げて,執行官に執行取消証明書を作成してもらい,この証明書を提出するなどの必要があります。

Q11 権利行使催告の方法による担保取消しの申立てを考えています。保全命令申立ての取下書を提出した後に,担保取消申立書を提出すればよいですか。

A 同時に提出してもらっても構いません。その場合,取下書の処理を先行させ,その後に担保取消しの処理を行います。

Q12 権利行使催告の方法による担保取消しの申立てを考えていますが,供託原因消滅証明書の交付まで,どれくらいの期間がかかりますか。

A 債務者への催告書の送達の状況によって事件ごとに異なりますが,通常は,2か月程度かかります。

Q13 債務者不特定として決定された占有移転禁止仮処分で,執行官の執行で占有者はいないと認定された場合,担保取消しの手続はどのようにすればよいですか。

A 事由消滅による担保取消しの申立てができます。その場合,被申立人は「本件仮処分命令執行時において本件保全対象物件を占有する者」としてください。

  なお,決定正本送付用の郵便切手1072円は必要ありません。

Q14 債務者を特定して,占有移転禁止の仮処分を執行したところ,債務者の占有が認められず執行不能となりました。担保取戻許可の申立て(民事保全規則17条)は可能ですか。

A 執行官が執行不能の認定をするため,何らかの強制的な処分(執行の着手)をしていることも考えられるので,通常は担保取消しの申立てをする必要があります。執行に着手しているかどうかがポイントになります。

Q15 保全命令の債務者について,破産手続開始決定がされ,破産管財人が選任されました。管財人から担保取消しの同意を得られる見込みですが,担保取消しの申立てをするに当たって,必要書類は何になりますか。

A 同意書等に加えて,破産裁判所が作成した破産管財人の資格証明書と印鑑証明書が必要です。通常の場合,両証明書は1通で作成されています。そのほか,担保の額が100万円を超える場合は担保取消しの同意及び即時抗告権の放棄に関する破産裁判所の許可が必要(破産法78条2項12号,3項1号,破産規則25条)ですから許可証明書を提出してください。

Q16 控訴に伴う強制執行停止事件の担保取消しの申立てを考えています。控訴審判決がでたら担保取消しの申立てができますか。

A 強制執行停止の効力は,「控訴審判決があるまで」ですが,担保取消しの申立てをするためには,原則として控訴事件が確定する必要があります。特段の事情がない限り,判決が確定した後に申立てをしてください。

Q17 債権者以外の第三者が担保提供をした場合,担保取消の申立てにあたり,申立人の表記はどのようになりますか。

A 実際に担保を提供した第三者が,担保取消しの申立人になります。したがって,申立人の表記は,「債権者○○○○の第三者担保提供者△△△△」となります。この場合,供託原因消滅証明申請書の申立人も同様に記載してください。

Q18 当事者の住所変更があったので,保全決定時から現在までの住所のつながりの分かる住民票等を添付しようと思いますが,その住民票等は,保全事件の取下げ用と担保取消し用と2通提出する必要がありますか。

A 保全事件の事件番号(ヨ)が同じ場合には,1通提出していただくことで差し支えありません。ただし,保全事件の事件番号が別の場合は,それぞれ,住民票等の原本を提出していただく必要があります。