平成28年度「夏休み親子企画」実施報告

はじめに

 宇都宮地方裁判所では,平成28年8月3日(水)午後1時30分より,小学校5,6年生とその保護者の方を対象に,裁判員裁判を体験する夏休み親子企画を実施しました。
 当日は,事前に申込みをいただいた19組45名の親子のみなさんが参加してくださいました。

アニメ「ぼくらの裁判員物語」上映

 まず,模擬裁判を始める前に,みなさんに裁判員裁判とはどのようなものかを知っていただくため,広報用アニメ「ぼくらの裁判員物語」を上映しました。

模擬裁判

 模擬裁判では,裁判長役は,当庁刑事部の裁判官が務め,その他の裁判官役,検察官役,弁護人役,裁判員役を,小学生のみなさん全員に演じていただきました。
 今回の模擬裁判員裁判は,被告人が被害者から約2万円相当のテレビゲームソフト1点を盗んだという窃盗被告事件を題材にしました。なお,本来,窃盗の事件は裁判員裁判の対象ではありませんが,分かりやすさの観点から,特別に裁判員裁判として行いました。

 模擬裁判では,実際の裁判と同じように,冒頭手続,証拠調べ手続,弁論手続,評議,判決の流れで進みました。
 証拠調べ手続の中で行われた証人尋問及び被告人質問では,法壇に座る裁判官役や裁判員役だけではなく,傍聴席からも多数の質問がされました。

 審理終了後,裁判官役及び裁判員役の子どもたちは,被告人がテレビゲームソフトを盗んだのか,盗んだとすればどのような刑にすべきかを,裁判長役の裁判官と一緒に話し合いました。

 また,傍聴席に座っていた方々にも,子ども班と保護者班に分かれていただき,講師役の裁判官と一緒に話し合っていただきました。

 模擬評議が終了した後は,判決宣告です。
 今回の模擬裁判では,必ずしも被告人が犯人だとは言い切れないとし,被告人は無罪とされました。

講評・質疑応答

 講評の際には,傍聴席の小学生と保護者の方々が話し合った結果についても発表されました。

 引き続き,裁判官との質疑応答が行われました。「本物の裁判とドラマとの違いはあるか」「年間何件くらい事件を担当するのか」など,さまざまな質問がされました。

修了証書授与

 最後に,今回の親子企画に参加した記念として,小学生のみなさんに宇都宮地方裁判所長から修了証書が授与されました。

 修了証書が授与された後は,法廷見学が行われました。参加者の皆様は,裁判官が着る法服を着用して写真を撮るなどして,思い思いに楽しんでいたようでした。

さいごに

 今回の親子企画に参加した小学生からは,「意見を出すのがおもしろかった」「とてもおもしろくて,時間が短く感じた」などの感想を頂きました。
 また,保護者の方々からも,「子どもの将来に活かしうる経験となったと思う」「裁判員裁判を知る良い機会となった」などの感想を頂きました。
 宇都宮地方裁判所では,今後も皆様に参加・体験していただけるような行事を開催し,裁判所を身近に感じていただけるような広報活動を行っていきたいと考えています。