憲法記念日を迎えるに当たって

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令和3年5月

憲法記念日を迎えるに当たって

最高裁判所長官 大谷直人

 日本国憲法の施行から74周年の記念日を迎えました。

 本年に入っても新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は収まらず,国民生活に甚大な影響を与えています。社会経済活動を継続しつつ感染拡大を防止するため懸命の努力が続けられていますが,裁判所としても,このような状況にあって,感染拡大防止の要請と,紛争解決を使命とする司法の役割とをいかに調和させていくかを最重要課題として,一体となって取り組んできました。現在,専門的知見を踏まえた感染拡大防止策を確実に講じた上で,各地の実情に応じた運用上の配慮や工夫を重ねながら,できる限り安定的に裁判を継続する方針で業務を行っています。間もなく施行から12年となる裁判員裁判も,安心して裁判に参加できる環境を確保することに細心の注意を払いながら実施していますが,国民の皆様の理解と協力に支えられ,順調に運用を重ねています。言うまでもなく,こうした取組については,地域社会の理解を得ながら行っていくことが重要です。引き続き必要な情報発信に努めてまいりたいと思います。

 感染拡大防止のための社会経済活動の制限によって,国民生活は多くの影響を受けており,そのような中で生じている葛藤が,今後法的紛争として現れてくる可能性もあると思われます。とりわけ,家庭事件については,家族の在りようの多様化や社会状況の変化に伴い,解決に困難を伴う事件が増えていることはこれまでも指摘されているところですが,今般の事態が家庭を巡る状況に与える影響についても十分留意する必要があります。その上で,新たに生じる争点等にも適切に応えることができるよう必要な体制整備を行っていきたいと考えています。

 今般の感染症の経験もあって,情報通信技術の有用性についての理解が広がり,社会におけるITの利活用は一段と加速しています。こうした動きは司法の分野においても例外ではありません。IT化の検討が先行している民事訴訟手続では,昨年12月に,ウェブ会議等を活用した争点整理の運用が全ての地方裁判所本庁に拡大したところですが,利用件数は着実に増加し,徐々に定着していると感じます。民事訴訟法等の改正に向けた検討も進んでいるところ,これまでの審理運営に改善すべき点がないかを見つめ直しつつ,利用者のニーズに応えるためにはどのようにITを生かすことができるのかという視点に立って議論を深めていきたいと考えています。また,刑事の分野でも,本年3月から捜査・公判のIT化方策の検討が開始されており,裁判手続のIT化については,分野を問わず,裁判所全体として検討を進めていく必要があります。

 裁判所は,今日に至るまで,日本国憲法によって託された司法権を適切に行使し,社会に生起する紛争の解決を通じて,経済の発展や社会の安定に寄与するよう努めてきました。本年は司法制度改革審議会の最終意見が公表されてから20年の節目に当たりますが,制度の改革等を通じて培ってきた議論の蓄積を十分に生かし,我が国の司法がその役割を適切に果たしているかという広い視野の下に,これからも議論を重ねていくことが必要です。憲法記念日を迎えるに当たり,日本国憲法の下で法の支配を揺るぎないものにするという裁判所の使命の重さに改めて思いを致し,裁判所に寄せられる国民の期待に応えるために全力を尽くさなければならないと考えています。

  1. 裁判所について
    1. 裁判所の組織
      1. 概要
      2. 最高裁判所
      3. 下級裁判所
    2. 裁判所の仕事
    3. 裁判所の予算・決算・財務書類
      1. 裁判所の予算
      2. 令和3年度予算
      3. 令和2年度予算
      4. 平成31年度予算
      5. 平成30年度予算
      6. 平成29年度予算
      7. 平成28年度予算
      8. 平成27年度予算
      9. 平成26年度予算
      10. 平成25年度予算
      11. 平成24年度予算
      12. 平成23年度予算
      13. 裁判所の決算
      14. 省庁別財務書類等について
      15. 令和元年度省庁別財務書類
      16. 平成30年度省庁別財務書類
      17. 平成29年度省庁別財務書類
      18. 平成28年度省庁別財務書類
      19. 平成27年度省庁別財務書類
      20. 令和元年度政策別コスト情報
      21. 平成30年度政策別コスト情報
      22. 平成29年度政策別コスト情報
      23. 平成28年度政策別コスト情報
      24. 平成27年度政策別コスト情報
      25. 平成25年度政策別コスト情報
    4. 各種委員会
      1. 最高裁判所家庭規則制定諮問委員会
    5. 裁判所の情報公開・個人情報保護
    6. 裁判所の環境施策
    7. 裁判所の災害対策等
    8. 裁判所における障害者配慮
    9. 裁判所における犯罪被害者保護施策
      1. 犯罪被害者保護関連法に基づく諸制度の実施状況(高・地・簡裁総数)
      2. 刑事手続における犯罪被害者のための制度
      3. 被害者保護制度に関する少年事件Q&A
    10. 広報誌「司法の窓」
      1. 司法の窓 第86号
      2. 司法の窓 第85号
      3. 司法の窓 第84号
      4. 司法の窓 第83号
      5. 司法の窓 第82号
      6. 司法の窓 第81号
      7. 司法の窓 第80号
      8. 司法の窓 第79号
      9. 司法の窓 第78号
      10. 司法の窓 第77号
      11. 司法の窓 第76号
      12. 司法の窓 第75号
      13. 司法の窓 第74号
      14. 司法の窓 第73号
      15. 司法の窓 第72号
      16. 司法の窓 第71号
      17. 司法の窓 第70号
      18. 司法の窓 第69号
      19. 司法の窓 第68号
      20. 司法の窓 第67号
      21. 司法の窓 第66号
      22. 司法の窓 第65号
      23. 司法の窓 第64号
      24. 司法の窓 第63号
      25. 司法の窓 第62号
      26. 司法の窓 第50号(最高裁判所50周年記念号)
      27. 司法の窓 裁判員制度特集号
    11. 司法制度改革
      1. 司法制度改革:21世紀の司法制度を考える
      2. 司法制度改革:21世紀の司法制度を考える
      3. 司法制度改革:21世紀の司法制度を考える
      4. 司法制度改革:司法制度改革推進計画要綱
      5. 司法制度改革:21世紀の司法制度を考える(資料一覧)
    12. トピックス
      1. 欧州評議会オブザーバー参加25周年記念あいさつ
      2. 東日本大震災十周年追悼式における大谷最高裁判所長官追悼の辞
      3. 裁判所や裁判所職員を装った不審な郵便物,電子メールや電話に御注意ください
      4. 長嶺安政最高裁判事就任記者会見の概要
      5. 日英オンライン司法会合開催について
      6. 日仏オンライン司法会合開催について
      7. 最高裁判所長官「新年のことば」(令和3年1月1日)
      8. 全国の地方裁判所本庁でウェブ会議等のITツールを活用した争点整理の運用を開始しました。
      9. 新型コロナウイルス感染症対策についてのお知らせ
      10. 最高裁判所長官謹話(令和2年11月8日)
      11. 裁判所職員総合研修所の研修について
      12. 認証等用特殊用紙の使用についてのお知らせ
      13. 大谷最高裁判所長官による憲法記念日記者会見の概要(令和3年5月掲載)
      14. 憲法記念日を迎えるに当たって(令和3年5月掲載)
      15. 刑事事件Q&Aの更新について
      16. 心の声に耳を傾ける~家庭裁判所調査官~
      17. 最高裁判所長官謹話(令和元年10月22日)
      18. 岡村和美最高裁判事就任記者会見の概要
      19. 林道晴最高裁判事就任記者会見の概要
      20. 大谷最高裁判所長官による記者会見「裁判員制度10周年を迎えて」の概要
      21. 裁判員制度10周年を迎えて
      22. 最高裁判所長官謹話(令和元年5月1日)
      23. 最高裁判所長官謹話(平成31年4月30日)
      24. 宇賀克也最高裁判事就任記者会見の概要
      25. 草野耕一最高裁判事就任記者会見の概要
      26. 三浦守最高裁判事就任記者会見の概要
      27. 政府広報での紹介(民事調停)
      28. 大谷最高裁判所長官の就任談話
      29. 「民事訴訟管理センター」から届く「総合消費料金未納分訴訟最終通知書」と題する不審なはがきにご注意ください
      30. 政府インターネットテレビでの紹介(簡易裁判所)
      31. 郵便物の例
      32. 「東京地方裁判所 民事訴訟部」等の名前を騙る郵便物に御注意ください。
      33. 「地方裁判所 民事訴訟部」の名前を騙る郵便物に御注意ください。
      34. 「地方裁判所」の名前を騙る,はがき記載の連絡先に電話をするよう促すはがきに御注意ください。
      35. 電子メールの例
      36. 「最高裁判所の書記官」を名乗る,裁判所への来訪を求める内容の不審なメールにご注意ください
      37. 「国民消費生活組合」を名のる 「訴訟履歴がマイナンバーへ登録されます」 という内容の不審なメールにご注意ください
      38. 電話の例
      39. 払込領収書を裁判所に送付するよう求める不審な電話にご注意ください
      40. 「東京簡易裁判所の書記官」等を名乗る,裁判所への来訪を求めたり,金銭の振り込みを求める内容の不審な電話にご注意ください
      41. 裁判所や検察審査会を騙った,あるいは,裁判員制度を装った不審な電話にご注意ください
      42. 調停手続相談のお知らせ
      43. 裁判所の手続を悪用した架空請求等にご注意ください。
      44. 「あなたのキャッシュカードが悪用されている。カード利用停止のためにカード等を預かる。裁判所に連絡すれば返金される。」旨の不審な電話に御注意ください。