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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和42(あ)299

事件名

 児童福祉法違反

裁判年月日

 昭和42年12月2日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第21巻10号1339頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和41年12月28日

判示事項

 一 児童福祉法第三四条第一項第九号にいう「正当な雇用関係」にあたらないとされた事例
二 同条項同号にいう児童を「自己の支配下に置く行為」があつたとされた事例
三 同条項同号にいう「児童の心身に有害な影響を与える行為」にあたるとされた事例

裁判要旨

 一 トルコ風呂経営者と児童であるいわゆるミストルコとの間の雇傭契約が、その児童の親権者の同意を得ていないものである場合、当該雇傭関係は、児童福祉法第三四条第一項第九号にいう「正当な雇用関係」にあたらない。
二 トルコ風呂経営者である被告人らと児童であるミストルコらとの関係の実体につき、出勤時間が定められ、無断欠勤、遅刻に対しては一定の制裁金が科せられていたこと、週に一、二回点呼があり、被告人らから客に対する態度等について注意がなされていたこと、出勤中自由な外出が認められていなかつたこと等の事実が認められ、被告人らのミストルコに対する使用関係が指導、監督につき相当強力な措置を含むものであつたとみられる場合(原判文参照)には、被告人らに前記条項第九号にいう児童を「自己の支配下に置く行為」があつたものと認めるのが相当である。
三 満一八歳に満たない児童が、トルコ風呂のミストルコとして、順番又は客の指名により入浴客に個々につき、個室内において水着姿で客の身体を洗いマッサージをするなど(原判文参照)の行為は、前記条項第九号にいう「児童の心身に有害な影響を与える行為」にあたる。

参照法条

 児童福祉法34条1項9号,児童福祉法60条2項

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