平成1(オ)573

 株主総会決議不存在確認

 平成2年12月4日

 最高裁判所第三小法廷

 判決

 棄却

 民集　第44巻9号1165頁

 名古屋高等裁判所

 昭和62(ネ)539

 平成元年1月30日

 一　商法二〇三条二項所定の指定及び通知を欠く株式の共同相続人と株主総会決議不存在確認の訴えの原告適格
二　商法二〇三条二項所定の指定及び通知を欠く株式の共同相続人が株主総会決議不存在確認の訴えの原告適格を有するとされた事例

 一　株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、商法二〇三条二項にいう「株主ノ権利ヲ行使スベキ者」の指定及びその旨の会社に対する通知を欠く場合には、特段の事情がない限り、株主総会決議不存在確認の訴えにつき原告適格を有しない。
二　株式を準共有する共同相続人間において商法二〇三条二項にいう「株主ノ権利ヲ行使スベキ者」の指定及びその旨の会社に対する通知を欠く場合であっても、右株式が会社の発行済株式の全部に相当し、共同相続人のうちの一人を取締役に選任する旨の株主総会決議がされたとしてその旨登記されているときは、他の共同相続人は、右決議の不存在確認の訴えにつき原告適格を有する。

 商法203条2項，商法252条

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