裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和61(行ツ)90
- 事件名
医業停止処分取消等請求事件
- 裁判年月日
昭和63年7月1日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集民 第154号261頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
昭和58(行コ)51
- 原審裁判年月日
昭和61年3月31日
- 判示事項
時期を逸しながら人工妊娠中絶の施術を求める女性にこれを断念させて出産させた新生児を内容虚偽の出生証明書を発行してその養育を希望する者にあつせんするいわゆる実子あつせんを行い、医師法違反等により罰金刑に処せられたことを理由としてされた医師に対する六か月の医業停止処分が、裁量権の範囲を逸脱しこれを濫用したものとはいえないとされた事例
- 裁判要旨
産婦人科医院を開設している医師が、時期を逸しながら人工妊娠中絶の施術を求める女性にこれを断念させる方法として、当該女性に出産させた新生児を内容虚偽の出生証明書を発行してその養育を希望する者にあつせんするいわゆる実子あつせんを始め、二〇年間にわたり、産婦人科医師の団体等の批判、中止勧告をも無視して約二二〇件これを行い、そのうちの一例について医師法違反等により罰金二〇万円の刑に処せられたなどの判示の事実関係のもとでは、右罰金刑を受けたことを理由として右医師に対してされた六か月の医業停止処分は、裁量権の範囲を逸脱しこれを濫用したものとはいえない。
- 参照法条
医師法4条2号,医師法7条2項,行政事件訴訟法30条
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