裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
昭和28(う)3093
- 事件名
強盗殺人公務執行妨害盗犯等の防止及び処分に関する法律違反被告事件
- 裁判年月日
昭和29年5月29日
- 裁判所名・部
福岡高等裁判所 第二刑事部
- 結果
破棄自判
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第7巻6号866頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 準強盗による強盗殺人罪の成立しない一事例
二、 刑訴第二一二条にいわゆる罪を行い終つてから間がないと明らかに認められる場合の一事例 ○判決要旨
一、 窃盗未遂の犯人が犯行現場から追跡をうけることなく逃走し、約百米位のところで、一時間位休息した後、帰途につき、さらにそこから百数十米位離れたところを通行していたとき、届出により犯人捜査中の司法巡査に誰何されて逃走し、組み付いてきた同巡査を逮捕を免かれるために殺害しても、その殺害行為は窃盗未遂の犯行の機会継続中においてなされたものとは認められないので準強盗による強盗殺人罪は成立しない。
二、 司法巡査が届出により窃盗未遂の犯罪の発生を知り、犯人ははだしで懐中電燈を携えていることを唯一の手懸りとして犯人捜査中、犯行後一時間半位を経過した頃、犯行の現場から二百数十米位しか離れていない地点で、午前二時半頃の深夜、褌一つの裸体で首に空風呂敷をかけ、しかも手懸りどおり、はだしで懐中電燈を携え異様な風体をして歩いて行く者の姿を目撃し、右犯人と思料して誰何したのにその者が突如、逃走しようとしたときは、誰何されて逃走しようとする者が、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められるときに該当する。
- 裁判要旨
- 全文