裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成17(行コ)51
- 事件名
法人文書不開示決定取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成16年(行ウ)第322号)
- 裁判年月日
平成17年5月25日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
大学病院が所持する特定の患者(死者)の血液製剤管理簿及び処方箋の開示請求に対し,同文書の存否を応答するだけで独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律5条1号(個人識別情報)の不開示情報を開示することになるとしてした同法8条に基づく不開示処分が,適法とされた事例
- 裁判要旨
大学病院が所持する特定の患者(死者)の血液製剤管理簿及び処方箋の開示請求に対し,同文書の存否を応答するだけで独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律5条1号(個人識別情報)の不開示情報を開示することになるとしてした同法8条に基づく不開示処分につき,前記各文書が存在しているか否かを回答すると,そのことのみで当該個人が当該病院に通院ないし入院して治療を受けていたか否かという事実が明らかになるほか,投薬の内容から当該個人の病歴を推測することが可能であるから,同法5条1号の個人に関する情報であって,特定の個人を識別することができるものと認められるとした上,同号ただし書ロの「人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報」に該当するか否かについては,不開示により保護される利益と開示により得られる利益との比較考量をする必要があるところ,前記当該個人の病歴ないし当該病院に通院ないし入院して治療を受けていたか否かという情報はプライバシー保護の必要性が高い情報であって,前者の利益保護の必要性が高く,後者が前者に優越するとは認められないとして,前記不開示処分を適法とした事例
- 全文