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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成17(行ク)67

事件名

 執行停止申立事件(本案・平成17年(行ウ)第94号)

裁判年月日

 平成17年4月26日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 厚生労働大臣から医師法4条4号所定の非違行為の存在を理由とする同法7条2項に基づく医師免許取消処分を受けた産婦人科医師がした,前記処分の取消しを求める訴えを本案とする前記処分の効力停止の申立てが,却下された事例

裁判要旨

 厚生労働大臣から医師法4条4号所定の非違行為の存在を理由とする同法7条2項に基づく医師免許取消処分を受けた産婦人科医師がした,前記処分の取消しを求める訴えを本案とする前記処分の効力停止の申立てにつき,行政事件訴訟法25条2項所定の「重大な損害」を生ずるか否かを判断するに当たっては,行政処分の執行等により維持される行政目的達成の必要性を一時的に犠牲にしてもなお救済しなければならない程度に重大な損害を避ける緊急の必要性があるか否かが勘案されるべきであり,同条3項において考慮すべき事項とされている「処分の内容及び性質」も,このような見地からの検討をもその考慮事項の1つとする趣旨の規定であるとした上で,前記処分の効力を停止することは,同人に医師としての活動を許容することを意味し,医師の業務は,国民の健康や安全に直結し,適格性を欠く者が従事することは本来許されない事柄であるから,このような処分の内容及び性質を踏まえた考慮をすると,執行停止の要件該当性については相当程度の疎明が必要になると解すべきであるところ,同人の行った非違行為は,それが事実であれば,いずれも医師としての適格性に重大な疑問を投げかけるものであり,他方,同人が前記処分によって収入が途絶して生活に困窮する事情もないことなどからすると,前記処分の効力停止を正当化するほどの「重大な損害」の疎明はされていないから,「重大な損害を避けるため緊急の必要」があるとはいえないとして,前記申立てを却下した事例

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