裁判例検索

裁判例結果詳細

行政事件 裁判例集

事件番号

 平成15(行ウ)19

事件名

 規則変更認証処分取消請求事件

裁判年月日

 平成16年10月29日

裁判所名

 長野地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 「天理教」という名称の宗教法人が,自己の被包括宗教法人であった訴外宗教法人が当該被包括関係を廃止し,その後「天理教豊文教会」との名称とする旨規則を変更したことについて,知事がした認証処分が,宗教法人法28条1項1号が規定する「その変更しようとする事項がこの法律その他の法令に適合」しているとの要件が具備されていないことを看過してされたもので違法であるとしてした前記処分の取消請求が棄却された事例 2 宗教法人甲が,自己の被包括宗教法人であった訴外宗教法人乙が当該被包括関係を廃止し,その後に規則を変更したことについて,知事がした認証処分が,宗教法人法28条1項2号が規定する「その変更の手続が第26条の規定に従つてなされていること」という要件が具備されていないことを看過してされたもので違法であるとしてした前記処分の取消請求が棄却された事例

裁判要旨

 1 「天理教」という名称の宗教法人が,自己の被包括宗教法人であった訴外宗教法人が当該被包括関係を廃止し,その後「天理教豊文教会」との名称とする旨規則を変更したことについて,知事がした認証処分が,宗教法人法28条1項1号が規定する「その変更しようとする事項がこの法律その他の法令に適合」しているとの要件が具備されていないことを看過してされたもので違法であるとしてした前記処分の取消請求につき,両宗教法人の間において,同一又は類似の名称の使用による人格権侵害又は不正競争防止法違反の問題が生じるおそれがあるとしても,前記処分の時点においては,そのおそれがあることのみによって,所轄庁たる知事が規則変更認証申請書の添付書類の証明事実の存在に理由ある疑いを持つ場合であるとは認められないし,また,知事には人格権侵害又は不正競争防止法違反を基礎づける事実につき審査すべき義務が要求されているともいえないから,訴外宗教法人の認証申請に宗教法人法所定のその他の形式的要件が充足されている限り,同申請に係る事項は「その変更しようとする事項がこの法律その他の法令に適合していること」の要件を具備しているものと認められるとして,前記請求を棄却した事例 2 宗教法人甲が,自己の被包括宗教法人であった訴外宗教法人乙が当該被包括関係を廃止し,その後に規則を変更したことについて,知事がした認証処分が,宗教法人法28条1項2号が規定する「その変更の手続が第26条の規定に従つてなされていること」という要件が具備されていないことを看過してされたもので違法であるとしてした前記処分の取消請求につき,前記規則変更は,訴外宗教法人乙の変更前の規則により要求されている「訴外宗教法人丙代表役員の同意」を得ることなくされているところ,宗教法人甲が,訴外宗教法人丙の包括宗教法人であって,訴外宗教法人丙やその代表役員に対する強い支配力や影響力を有していることからすると,当該同意についても包括宗教団体の制約条項の効力停止を定めた同法26条1項後段の趣旨が妥当するといえるから,当該同意は,同項が定める包括宗教団体の「一定の権限」に該当し,訴外宗教法人乙の認証申請については,同項後段により当該同意を経る必要はないことから,同申請に係る事項は「その変更の手続が第26条の規定に従つてなされていること」の要件を具備しているものと認められるとして,前記請求を棄却した事例

全文