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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成3(行コ)85

事件名

 法人税賦課決定処分取消請求控訴事件

裁判年月日

 平成4年3月19日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 法人税法の予納法人税に関する規定は破産法人に対しても適用されるから,破産管財人は,破産財団に対する管理処分権能の一環として同税の申告義務を負うとした事例 2 破産財団に対する予納法人税の一般部分に係る債権は,破産法46条4号を準用して劣後的破産債権として取り扱われるのが相当であり,破産財団から配当手続により納付されるべきであるとした事例 3 破産管財人が法定の申告期限内に法人税法102条1項所定の予納法人税の申告をしなかったとしてされた無申告加算税賦課決定処分が,適法とされた事例

裁判要旨

 1 法人税法が清算所得に関する諸規定において,合併による解散の場合を別異に取り扱う旨を定めながら,破産による解散の場合についてはこのような規定をおいていないことに照らせば,予納法人税に関する規定は破産法人に対しても適用され,破産財団の管理処分権限を有する破産管財人は,その権能の一環として,同税の申告義務を負うものと解すべきであるとした事例 2 破産財団に対する予納法人税の一般部分に係る債権は,破産法47条2号ただし書の「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たるものと解することはできず,同法15条の「破産宣告前ノ原因ニ基キテ生シタル財産上ノ請求権」にも該当しないが,その性質上,同法46条4号を準用して劣後的破産債権として取り扱われるのが相当であり,破産財団から配当手続により納付されるべきであるとした事例 3 破産法人が清算中の事業年度中に同法人が所有する不動産を譲渡して所得を得たにもかかわらず,破産管財人が法定の申告期限内に法人税法102条1項所定の予納法人税の申告をしなかったとしてされた無申告加算税賦課決定処分が申告期限の徒過につき国税通則法66条1項ただし書にいう「正当な理由」があったとは認められず,税額の算出方法にも誤りはないとして,適法とされた事例

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