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行政事件 裁判例集

事件番号

 昭和53(行ウ)5

事件名

 優生保護法指定医の指定取消処分取消等請求事件

裁判年月日

 昭和57年3月30日

裁判所名

 仙台地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 県医師会による優生保護法14条1項に規定する指定医師の指定を受けた医師が新生児を他に実子としてあっせんするため虚偽の出生証明書を作成したこと等の行為につき医師法違反等の罪により罰金刑に処せられこれが確定したことを理由として県医師会が同医師に対してした右指定の取消処分に,裁量権の逸脱又は濫用はないとした事例 2 県医師会による優生保護法14条1項に規定する指定医師の指定を受けた医師が新生児を他に実子としてあっせんするため虚偽の出生証明書を作成したこと等の行為につき医師法違反等の罪により罰金刑に処せられこれが確定したことを理由として県医師会が同医師に対してした右指定の取消処分に先立って弁明の機会を与えていなくても,右取消処分に対する不服申立ての審査機関である不服審査委員会で事後的に弁明の機会が与えられており,また,右指定が単なる授益的な処分とは考えられないことからみて,右取消処分に関する手続が妥当性を欠くものとは認められないとした事例 3 県医師会は,同会により優生保護法14条1項に規定する指定医師の指定後において公益に合致しない事情が生じた場合には,法律による明文の根拠がなくても,右指定を撤回することができるとした事例 4 県医師会による優生保護法14条1項に規定する指定医師の指定の取消処分及び同指定申請に対する却下処分は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるか 5 県医師会による優生保護法14条1項に規定する指定医師の指定を受けた医師が新生児を他に実子としてあっせんするため虚偽の出生証明書を作成したこと等の行為につき医師法違反等の罪により罰金刑に処せられこれが確定したことを理由として県医師会が同医師に対してした右指定の取消処分後にした県医師会による優生保護法14条1項に規定する指定医師の指定の申請を県医師会が右取消処分と同じ理由により却下したことが適法とされた事例

裁判要旨

 4 県医師会による優生保護法14条1項に規定する指定医師の指定の取消処分及び同指定申請に対する却下処分は,いずれも抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。

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