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行政事件 裁判例集

事件番号

 昭和57(行コ)2

事件名

 優生保護法指定医の指定取消処分取消等請求控訴事件(原審・仙台地方裁判所昭和53年(行ウ)第5号)

裁判年月日

 昭和60年3月29日

裁判所名

 仙台高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 県医師会による優生保護法14条1項に規定する指定医師の指定の取消処分及び同指定申請に対する却下処分は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるか 
2 県医師会は,同会による優生保護法14条1項に規定する指定医師の指定後において公益に合致しない事情が生じた場合には,法律による明文の根拠がなくても,右指定を徹回することができるとした事例 
3 県医師会による優生保護法14条1項に規定する指定医師の指定を受けた医師が,新生児を他に実子としてあっせんするため虚偽の出生証明書を作成したこと等の行為につき,医師法違反等の罪により罰金刑に処せられ,これが確定したことを理由として,同会が同医師に対してした右指定の取消処分に,裁量権の逸脱又は濫用はないとした事例 
4 県医師会が,優生保護法14条1項に規定する指定医師の指定を受けた医師に対し,右指定の取消処分をするのに先立って弁明の機会を与えていなくても,右取消処分に対する不服申立ての審査機関である不服審査委員会で事後的に弁明の機会が与えられており,また,右指定が単なる授益的な処分とは考えられないことからみて,右取消処分に関する手続が妥当性を欠くものとは認められないとした事例 
5 新生児を他に実子としてあっせんするため虚偽の出生証明書を作成したこと等の行為につき医師法違反等の罪により罰金刑に処せられ,これが確定したことを理由として,県医師会から,優生保護法14条1項に規定する指定医師の指定の取消処分を受けた医師が,右取消処分後にした右指定医師の指定の申請を,同会が,右取消処分と同じ理由により却下したことが,適法とされた事例

裁判要旨

 1 県医師会による優生保護法14条1項に規定する指定医師の指定の取消処分及び同指定申請に対する却下処分は,いずれも抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。

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