トップ > 各地の裁判所 > 岐阜地方裁判所/岐阜家庭裁判所/岐阜県内の簡易裁判所 > 岐阜地方・岐阜家庭裁判所について > お知らせ > 視覚障害者の方を安全に誘導するための講習会を行いました。
岐阜地方・家庭裁判所では,平成21年2月12日(木)に視覚障害者の方が来庁された際にご案内できるよう,視覚障害者生活情報センターぎふより棚橋公郎先生を講師としてお招きし,職員が2人1組でアイマスクを付けて実際に庁舎内の誘導を体験する講習会を行いました。
講師
視覚障害者生活情報センターぎふ
棚橋公郎先生
まず始めに,棚橋先生から,人間本来が必要としている感覚の80%以上を視覚に補っているなど,本来意識していない感覚等のお話や視覚障害者の方を目的の場所へ誘導するために必要な4つの条件について学びました。
条件1:安全性(安心感)
条件2:能率性(効率的、効果的)
条件3:見た目の自然さ
条件4:視覚障害者,誘導者の両者にとってのやりやすさ
続いて職員2人1組でアイマスクを付けて実際に庁舎内を誘導する体験をしました。
体験してみて
トイレでの注意点、
・便器の位置や向き,形状や鍵の位置,施錠方法,ペーパー位置を説明する必要があること
・用を済ませた後も衛生上の問題から,手洗いを済ませるまでは,洗面場所までは背中に手を添えるなどして誘導し,蛇口・石鹸・エアータオル等の位置を言葉で伝える必要がある。
法廷や会議室等で椅子に腰掛けるときの注意点、
・狭い通路では,一言断って腕を背中に回し,縦一列で誘導する。
・椅子に腰掛けるときは背もたれの場所に手を誘導して触れてもらい,必要に応じてテーブル等にも触れて確認してもらう。この時に椅子が回転する椅子かどうかも伝える必要がある。
・背もたれのない椅子は,座面に触れてもらい,同時に座る方向も伝える必要がある。
階段での注意点、
・手すりが有る場合は,手すりを使うか尋ねる。
・段の手前で一旦止まり,「降ります」(または「上がります」)と声を掛けてから移動する。
・移動のスピードは相手に合わせる。
体験者談
実際にアイマスクを装着し,誘導者の腕(肘のあたり)を掴み,誘導に身を任せて庁舎内を移動しました。真っ暗闇の中,誘導者の腕と声を頼りに進むのですが,なかなか足が前に出ません。よく知る建物のはずなのに・・・。
今回は,トイレや法廷,階段等を体験したのですが,やはり目からはいる情報に頼っていたのか,物の位置が全く分からず怖かったです。それに加え,移動中は常に集中していないといけないため,一通り体験した後には疲れが・・・。
この体験から得たことを生かし,視覚障害者の方と接する際には負担を少しでも減らせるよう今後努力していきたいと思います。