大阪高等裁判所長官

尾島 明(おじま あきら)
(生年月日 昭和33年9月1日)

写真:尾島明(おじまあきら)

略歴

 昭和60年に裁判官に任官し、東京地裁、甲府家地裁、通商産業省通商政策局、横浜地裁、最高裁、東京高裁、内閣法制局などで勤務しました。近年の略歴は、次のとおりです。

平成21年  7月        東京地方裁判所判事(部総括)
平成24年  3月        最高裁判所上席調査官
平成28年  2月        静岡地方裁判所長
平成29年  1月        東京高等裁判所判事(部総括)
平成30年  1月        最高裁判所首席調査官
令和  3年  7月        大阪高等裁判所長官

長官からのメッセージ

(令和3年8月掲載)

 令和3年7月から大阪高等裁判所長官を務めています。

 令和2年の春以来、新型コロナウイルスのパンデミックが裁判の運営にも大きな影響を及ぼしています。絶え間なく生起する紛争を解決するという社会にとって不可欠な裁判機能を維持するために、実効性のある感染防止策が必要になり、世界中の裁判所でこれまで経験したことのないような措置が模索されるようになりました。裁判、特に訴訟手続は、法廷という屋内空間に集まった不特定多数の人の前で、当事者と裁判所が口頭で議論をし合い、証人等の証拠を調べることを基本としているため、感染症対策で重要とされるいわゆる三密を回避するための様々な工夫が、大阪高裁管内の裁判所でも重ねられています。また以前から民事訴訟に情報通信技術を活用しようという動きがあり、大阪高裁管内でもその実践が一部始まっていますが、この技術はコロナ禍の状況下でとても有効に活用できるという一面があることが実感できています。

 一方、このような経験をする中で、感染症対策でも情報通信技術の活用でもゆるがない、またゆるがせてはいけない裁判の本質的な要素もはっきり見えてきたように思います。それは何かというと、中立的な立場から独立して職権を行使する裁判官が、透明性の高い手続を通じて、迅速に、紛争を解決するという、裁判というものに対して人々が共通して目指してきた価値です。こういうことを行うことができる機関であることから、裁判所は当事者、国民から信頼され、社会の基盤となってきたのです。

 コロナ禍は今なお続いていて先が見通せない状況が続いていますし、民事訴訟のIT化の検討は政府の法制審議会で精力的に検討が続けられています。このような中で、当事者、国民に信頼される裁判が日々実現されるよう、その環境整備にできる限りの力を尽くしたいと思います。