小・中学生向け夏休み企画「みんなで考えよう!有罪?無罪?」が開催されました!

トップ > 各地の裁判所 > 大阪地方裁判所/大阪家庭裁判所/大阪府内の簡易裁判所 > 見学・傍聴案内 > 小・中学生向け夏休み企画「みんなで考えよう!有罪?無罪?」が開催されました!

 大阪地方裁判所(おおさかちほうさいばんしょ)では,毎年,小・中学生向けに,夏休みを利用した模擬裁判体験(もぎさいばんたいけん)を実施しています。今年も,昨年に引き続き,裁判員制度(さいばんいんせいど)の模擬裁判を体験してもらいました。今年は,小学生の部と中学生の部に分け,小学生の部では保護者の方々にも評議に参加していただきました。

1. 行われた日時と場所

 平成25年8月15日(木),24日(土),大阪地方裁判所の大法廷(だいほうてい)(201号法廷)を使って,行われました。

写真:全体の様子

2. 参加者について

模擬裁判に参加してくださったのは次の皆さんです。

8月15日8月24日午前8月24日午後
中120小49小417
中29小524小514
中311小67小69
合計40合計40合計40

3. 内容について

 最初に,裁判官(さいばんかん)が事件のストーリーを簡単に説明し,その後で,実際に模擬裁判を体験してもらいました。模擬裁判の後には,「裁判官への質問コーナー」で,分からないことを質問してもらい,法廷の見学や記念撮影をしてもらいました。

(1) 模擬裁判とは?

 参加した小・中学生に,裁判官,裁判員,検察官(けんさつかん),弁護人(べんごにん),証人(しょうにん)になってもらい,実際の法廷を使って,刑事裁判を最初から最後まで体験してもらいます。それぞれの役割の人が,実際の裁判官・裁判員や検察官,弁護人,証人になりきって裁判を進めていきます。台本が用意されているので,裁判のことを知らない方でも安心して参加できます。

今回の事件のストーリー

 東京三郎(とうきょうさぶろう)さんは,ある日の夜,自宅から公園に歩いている途中,知り合いの桜花子(さくらはなこ)さんの家の玄関付近が燃えていて,その前に男がしゃがんでいるのを見つけました。
東京さんは,玄関まで駆けつけ,着ていた上着でたたいて火を消しました。しゃがんでいた男は,桜さんの家の裏口から出て行こうとしていたため,東京さんが声をかけると,その男は振り返った後,走って逃げていきました。東京さんは,男を捕まえて「お前,火をつけただろう。」と尋ねると,男は,「火を消していただけだ。」と答えました。東京さんの110番通報を受けて駆けつけた警察官が,男を警察署まで連れて行って事情を聴いた結果,その男は「大阪太郎(おおさかたろう)」さんであることがわかり,現住建造物等放火罪(げんじゅうけんぞうぶつとうほうかざい)で逮捕されました。
捜査の結果,検察官は,大阪地方裁判所に大阪さんを起訴し,大阪さんを被告人(ひこくにん)とする裁判が開かれました。

(2) 模擬裁判の様子

 検察官と弁護人は,最初に,事実関係について,次のような意見(冒頭陳述(ぼうとうちんじゅつ))を述べました。
〔1〕 検察官は,次のように主張しました。
被告人(大阪さん)は,ライターで火をつけた新聞紙を桜さんの家の玄関の扉の下に差し込んで放火しました。被告人が玄関の扉の前にしゃがみこんでいるところが目撃されています。その目撃者(東京さん)は,被告人が立ち去った直後,玄関の扉が燃えていたことも確認しています。

画像:検察官役の様子

検察官役の様子

〔2〕 これに対し,弁護人は,次のように主張しました。
 被告人は犯人ではありません。被告人は,確かに桜さんの家の玄関のところにいましたが,燃えているのを見つけて週刊誌でたたいて火を消そうとしていただけで,火をつけてはいません。

◎続いて,証拠調べが行われました。

〔1〕証拠書類(しょうこしょるい)の取調べ
 検察官が,証拠書類を読み上げました。

〔2〕証人尋問(しょうにんじんもん)
 東京さんに証人として法廷に来てもらい,事件のことについて話を聞きました。東京さんは,うそを言わないという宣誓(せんせい)をしました。それから,検察官,弁護人の順番に質問し,最後に裁判員と裁判官から質問をしました。

〔3〕被告人質問
 被告人から,事件のことについて話を聞きました。弁護人,検察官の順に質問し,最後に裁判員と裁判官が質問をしました。

写真:裁判員役の様子

裁判員役の様子

 最後に,検察官と弁護人は,証拠書類や,東京さん,被告人の話を整理して,まとめの意見(論告(ろんこく)・弁論(べんろん))を述べました。

〔1〕 検察官は,次のように主張しました。
 東京さんの証言によれば,被告人が立ち去った直後に玄関の扉の下が燃えていました。それに,被告人は,東京さんから声をかけられて突然走り出しています。これらは,被告人が犯人であることを示す事実です。被告人は,火を消していただけだと言いました。しかし,被告人が火を消すのに使ったという週刊誌は見つかっていません。被告人の話は信用できず,被告人が犯人であることは間違いありません。

〔2〕 これに対し,弁護人は,次のように主張しました。
 玄関の扉が燃えていた時,被告人がその近くにいたのは,被告人が火を消していたからです。東京さんは,被告人が玄関の前にしゃがみこんでいるのを見ただけで,被告人が火をつけているのを見たわけではありません。しかも,東京さんは,被告人が玄関の前で腕を上下に振るような動きをしていたと証言しました。この証言は,火を消していたという被告人の話と一致しています。被告人は,犯人ではなく,無罪です。

(3)評議(ひょうぎ)の様子

 参加した小・中学生に5つのグループに分かれてもらい,各グループに司会役の裁判官1人が加わって,被告人が桜さんの家の玄関に火をつけた犯人かどうかについて,話合い(評議)をしました。小学生の部では,保護者の皆様にも意見を述べてもらい,話合いの参考にしました。

 話合いの中では,『火を消そうとしていたのに,火が消えていないうちにいなくなるというのはおかしいのではないか』,『週刊誌を捨てたのに見つかっていないのはおかしいのではないか』という意見や,逆に,『いきなり声を掛けられれば誰だって逃げる』という意見など,いろいろな意見が出され,とても盛り上がりました。

写真: 評議の様子1

写真:評議の様子2

写真: 評議の様子3

写真:評議の様子4

 評議が終わった後,法廷に戻って,評議の結果に従って判決を言い渡しました。

【判決言い渡しの様子】

写真:判決言い渡しの様子

(4)質問コーナーとは?

 普段話すチャンスのない裁判官に,裁判官や裁判所のことをいろいろ聞くことができます。模擬裁判の後に,裁判官が質問に答えるもので,何でも自由に聞くことができます。

写真:質問コーナー1

写真: 質問コーナー2

写真: 質問コーナー3

写真: 質問コーナー4

参加した小・中学生のみなさんからは

  • 1日に何件くらい,どれくらいの時間,裁判をするのですか?
  • 一番大変だった事件は何ですか?
  • 判決を言い渡した後に後悔したことはありますか?
  • 裁判官になろうと思った理由は何ですか?
  • 裁判官になろうと決めたのはいつ頃ですか?
  • 裁判官になって辛いことは何ですか?
  • 控訴審でひっくりかえされると悔しいですか?
  • 裁判員裁判になって,量刑の変化はありますか?
  • 裁判官の生活は,どのようなものですか?
  • 女性裁判官はどのくらいいるのですか?
  • 何歳くらいで裁判官になれるのですか?

などの質問が出されました。

(5)法廷見学とは?

 裁判官の法服を着たり,普段座ることができない裁判官席に座って写真を撮ることができます。

写真:法廷見学の様子

法廷見学の様子

4. 模擬裁判に参加した人の感想

 小・中学生のみなさんから

  • 評議でたくさんの人の意見を聞けてよかった
  • 裁判の仕組みをもっと知りたいと思った
  • 法廷というおごそかな雰囲気の中で体験できてよかった
  • とても貴重な体験ができた
  • 法服が着られてよかった
  • 将来,裁判官になりたいと思った
  • 模擬裁判を通じて裁判のイメージが湧いた
  • 法廷で話すのは緊張した
  • 法壇の上からだと見え方が違った
  • 自分の考えを言葉でうまく表現できずにもどかしかった
  • 議論をする経験ができてよかった
  • 証言台の前にある器具がすごかった
  • 評議の大切さを知ることができた
  • 弁護士役を通じて,将来弁護士になるという夢を叶えたいと思った
  • 裁判官への質問コーナーで詳しく教えてくれてよかった

 保護者の方々から

  • 多くの子ども達に役割を与えてくれたのでよかった
  • 評議中,子ども達がしっかりと意見を出していてすごいと思った
  • ディスカッションの経験をさせることができてよかった
  • 一通りの流れを追って体験できて分かりやすかった
  • 質問コーナーで裁判官が丁寧に答えてくれてよかった

5. 最後に

 残念ながら参加していただけなかった方々も含めて,本年度の模擬裁判に多数のお申込みをいただきありがとうございました。

 いただいた意見を参考にして来年も模擬裁判を行う予定です。

 ぜひ,みなさんも気軽に申し込んでください。