裁判員制度説明会を開催しました!
~平成22年1月26日 本庁・堺支部にて~

 平成21年5月にスタートした裁判員制度。国民の皆様の御協力のもと,平成22年3月1日現在,大阪地裁本庁で25件,堺支部で4件の裁判員裁判が既に実施されており,これから先も様々な裁判員裁判が実施される予定です。マスコミ報道でも,裁判員裁判に関するニュースに接する機会は依然として多いかと思います。そこで,裁判員制度についてより深く知っていただくために,今回,大阪地裁本庁・堺支部で,裁判員制度説明会を同時開催しました。

当日は,本庁・堺支部あわせて87人の方々にお越しいただき,制度について理解を深めていただきました。以下,本庁での模様を中心にお伝えいたします。

写真:裁判員制度説明会

写真:裁判長の挨拶、裁判官による制度説明

どのくらいの確率?

 大阪地裁本庁・堺支部では,平成22年3月1日現在,既に延べ約240人の大阪府民の方々に裁判員又は補充裁判員として参加いただいていますが,いったいどのくらいの確率で裁判員・補充裁判員に選ばれるかというと・・・全国平均では約5590人に1人ですが,大阪では約3542人に1人となります(1事件あたり裁判員6人,補充裁判員2人選任と仮定,平成20年の事件数データに基づき算出)。

 裁判官「大阪は,裁判員になる“チャンス”が高いんです」

 参加者「(笑)」

守秘義務とは?

 実際に裁判員に選ばれた場合,裁判員の仕事をする際に知った秘密は漏らしてはいけないと言うことになっています。「守秘義務」と呼ばれるものです。マスコミ報道などで一度は耳にして,ご不安な思いを抱かれた方もおられるかもしれません。そこで,その守秘義務について簡単にご説明します。

裁判員になったことを言ってはだめ?

 裁判員や裁判員候補者の氏名,住所など個人を特定できる情報は公にしてはいけません。「公にしてはいけない」ということなので,自分が裁判員などになったことについて,日常生活の中で家族や親しい人に話すことは問題ありません。また,自分が裁判員になったことを休暇の取得のためなどの理由から,職場の上司等に話すことも問題ありません。

守秘義務って厳しいの?

 裁判員の仕事をする際に知った秘密は漏らしてはいけません。ここにいう秘密とは,例えば,どのような過程を経て結論に達したのかということや,裁判員や裁判官がどのような意見を述べたかということ,また,事件関係者のプライバシーに関する事項や,裁判員の名前などが挙げられます。
 公開の法廷で見聞きしたことであれば,基本的には話しても問題ありません。また,裁判員として裁判に参加した感想を話すことも問題ありません。むしろ感想を話していただき,裁判員の体験を周囲の方と共有していただくことは,制度が定着する上でとても有意義なことだといえます。

質疑応答

 説明終了後,裁判官への質疑応答が行われました。その一部をご紹介すると・・・

裁判所から送られる書類は返送しなければならないの?

 裁判所から送られる書類には,主に2種類あります。

裁判員候補者名簿記載通知,調査票:前年の秋ごろに発送。

 裁判員候補者名簿に載った方には,前年の秋頃に,名簿に記載されたことの通知(名簿記載通知)が届きます。(今年の裁判員候補者の方には,既に昨年秋に届いています。

 この通知は,翌年,裁判員を選任するための手続を行う期日に裁判所に来ていただくかもしれないということを事前にお伝えするものです。同封されている調査票は,「裁判員になることができない方」「一年間を通じて辞退できる事由に該当するため,辞退を希望される方」を事前に把握するものであり、当てはまらない方は提出していただく必要はありません。

図版:調査票

選任手続期日のお知らせ(呼出状),質問票:選任手続の日の約6週間前に発送。

 裁判員裁判の対象となる事件が起訴され,その事件の証拠や争点を整理する手続が終了すると,裁判所は,裁判員候補者名簿の中から,くじでその事件の裁判員候補者を選びます。ここで選ばれた方には,裁判員を選任する手続のために裁判所に来ていだだくお知らせ(呼出状)を送ります。(今年の裁判員候補者の方には,今年3月ごろから来年2月ごろの間に裁判所にお越しいただく可能性があります。

 同封されている質問票は,その選任手続の日に裁判所に来られないような事情がないかを確認する書類であり,辞退の希望等をあらかじめお伺いするものです。

 なお,質問票については,法律上,返送していただく義務があります。

 参加者から,一般国民が裁判に参加する意義を質問された裁判長は,「様々な経験を持つ裁判員が参加することによって評議に深みが出て,より説得的な理由に基づいた結論に結びつく。市民感覚にも合致した説得的な理由に基づいている結論こそ,裁判への信頼を支えるのでは」と,裁判員制度の意義を訴えました。

 参加者のなかには,裁判員に立候補したいのだがどうすればいいのか,という質問をくださった方もいらっしゃいました。(誠に心苦しいのですが,裁判員候補者はくじで選ばれるため,立候補していただくことはできません。裁判員候補者に選ばれた際には是非御協力いただければと思います。)

写真:質問に答える裁判長ら

裁判員裁判用法廷の見学

 質疑応答終了後,裁判員裁判用法廷に移動して,裁判官席の両横に裁判員用の席が並べられた法壇や,分かりやすい審理を行うためのモニター画面など,裁判員裁判を行うための設備が整った法廷を実際にご覧いただきました。参加者は,裁判員用の席に自由に座り,思い思いに記念撮影をされていました。実際に裁判員として法廷に立ち会う際のイメージを膨らませていただけたのではないでしょうか。

写真:裁判員裁判用法廷の見学

写真:裁判員裁判用法廷の見学(2)

引き続き,裁判員制度にご理解とご協力をお願いします

 大阪では,これまでの裁判員裁判で,裁判員選任手続期日に約80~90パーセントの方々に出席していただいており,非常に高い出席率となっています。これは,ひとえに大阪府民の方々に,裁判員制度の趣旨をご理解いただいていることの表れであり,大阪府民の皆様に感謝申し上げたいと思います。

 また,実際に裁判員及び補充裁判員として裁判員裁判に携わっていただいた方々のご感想では,おおむね良い評価をいただいています。

 大阪地裁としては引き続き,審理や評議の在り方について,裁判員裁判の経験を積み重ねて,これまで以上によりよい審理がなされ,裁判員制度が社会に定着するように努力したいと考えています。

 皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

※裁判員制度については,裁判員制度ホームページで詳しくご紹介しています。