1. 概要
子どもを扶養する義務は両親にありますので,両親が離婚した場合であっても,双方がその経済力に応じて子どもの養育費を分担することになります。
養育費について話合いがまとまらない場合や話合いができない場合には,子を監護している親から他方の親に対して,家庭裁判所に調停又は審判の申立てをして,養育費の支払を求めることができます。調停手続を利用する場合には,子の監護に関する処分(養育費)調停事件として申し立てます(離婚調停の申立てに伴って離婚後の養育費について話し合いたい場合は,夫婦関係調整調停(離婚)を利用してください。夫婦が別居中に,子どもの養育費を含む夫婦の生活費の支払について話し合いたい場合は,婚姻費用の分担調停を利用してください。)。
また,一度決まった養育費であってもその後に事情の変更があった場合(再婚した場合や子どもが進学した場合など)には養育費の額の変更を求める調停や審判を申し立てることができます。
調停手続では,養育費がどのくらいかかっているのか,申立人及び相手方の収入がどのくらいあるかなど一切の事情について,当事者双方から事情を聴いたり,必要に応じて資料等を提出してもらうなどして事情をよく把握して,解決案を提示したり,解決のために必要な助言をし,合意を目指し話合いが進められます。
なお,話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され,裁判官が,一切の事情を考慮して,審判をすることになります。
2. 申立人
- 父
- 母
3. 申立先
相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所
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4. 申立てに必要な費用
- 収入印紙1200円分(子ども1人につき)
- 連絡用の郵便切手(申立てされる家庭裁判所へ確認してください。なお,各裁判所のウェブサイトの「裁判手続を利用する方へ」中に掲載されている場合もあります。)
5. 申立てに必要な書類
(1) 申立書及びその写し1通(6の書式及び記載例をご利用ください。)
(2) 標準的な申立添付書類
- 対象となる子の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 申立人の収入に関する資料(源泉徴収票写し,給与明細写し,確定申告書写し,非課税証明書写し等)
※ 審理のために必要な場合は,追加書類の提出をお願いすることがあります。
6. 申立書の書式及び記載例
7. 手続の内容に関する説明
- 1. 「養育費」には,どのような費用が含まれるのですか。
- 一般的には,子の衣食住等に要する生活費のほか,教育や医療に要する費用も含まれると考えられています。
- 2. 養育費の額は,どのように決められるのですか。
-
調停では,お互いの意向に基づいて話合いが進められますが,一般的には,双方の収入状況や子の人数,年齢その他一切の事情を考慮することになると考えられます。
(参考)平成30年度司法研究の概要はこちら
養育費,婚姻費用の標準算定方式・算定表(令和元年版)が提案されています)
- 3. 調停での話合いがまとまらない場合は,どうなるのですか。
- 調停は不成立として終了しますが,引き続き審判手続で必要な審理が行われた上,審判によって結論が示されることになります。
- 4. 父又は母が就職,退職するなどして収入状況が変わった場合,調停や審判で決められた養育費の額を増額又は減額するよう求めることはできますか。
- 調停や審判の基礎となった事実関係や事情に変更があり,実情に合わないと思われるときは,従前に取り決められた養育費の額の変更を求めることができます。