児童虐待 -家庭裁判所のかかわり-

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 児童虐待のニュースが後を絶たず,児童虐待に対する社会の関心が高まってきています。
 家庭裁判所は,児童虐待の問題に,どのようにかかわっているのでしょうか。

 保護者から虐待を受けている子どもの安全を図るため,保護者の意思に反してでも子どもを保護者から引き離さなければならない場合があります。

 このような場合,児童相談所長は,子どもを児童福祉施設に入所させたり,里親に委託するなどの措置の承認を家庭裁判所に求めます(いわゆる「児童福祉法28条事件」)。家庭裁判所は,その申立てを受け,子どもの健やかな成長に適うかを基準に,それらの措置を承認するかどうかを判断します。

 家庭裁判所では,このほかにも,様々な手続において,児童虐待が問題となるケースの解決に努めています。

Q. 子どもを児童福祉施設に入所させるなどの措置を承認する手続はどのように進められるのですか。

A. 家庭裁判所は,保護者,子ども,子どもにかかわる人たちから話を聞いたり,必要な資料を集めたりして,児童虐待があったのかなどを認定し,施設への入所などを認めることが子どもの健やかな成長や発達に適うのかどうかを判断しています。
 また,児童虐待は緊急性の高い問題ですので,速やかに手続が行われるように努めています。
 手続の流れについては,この後にある「家庭裁判所における児童虐待関係事件の手続」をご覧ください。

Q. 子どもにはどのような職員が対応するのですか。

A. 心理学や社会学,教育学,社会福祉学などの専門家である家庭裁判所調査官が対応します。家庭裁判所調査官は,子どもの年齢などに合わせた方法で,その心身の状態にも十分に配慮しながら事情を聴くなどして,きめ細かい対応を心がけています。

Q. 保護者は話を聴いてもらう機会がありますか。

A. 裁判官である家事審判官が,保護者などから直接事情を聴取するなどして,その言い分を聴くことになっています。その上で,施設の入所などを認めるのかどうかについて,様々な面から検討して判断します。

Q. そのほか,家庭裁判所が児童虐待の問題にかかわることはあるのですか。

A. 保護者が親権を濫用して子どもを虐待しているような場合には,家庭裁判所は,関係者(親族など)の申立てにより,その親権を失わせ(親権喪失宣告),子どものために後見人を選ぶことができます。
 そのほか,家事調停(親権者の変更など)や家事審判(養子縁組など)の手続においても,家庭裁判所は,児童虐待の問題に留意して事案の解決にあたっています。

児童虐待とは

 児童虐待には,4つの類型があります(児童虐待の防止等に関する法律第2条に定義されています。)。

  • 身体的虐待
    児童の身体に外傷が生じ,または生じるおそれのある暴行を加えること
  • 性的虐待
    児童にわいせつな行為をすること,または児童をしてわいせつな行為をさせること
  • ネグレクト
    児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食または長時間の放置,その他保護者としての監督を著しく怠ること
  • 心理的虐待
    児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと

家庭裁判所における児童虐待関係事件の手続

図版:家庭裁判所における児童虐待関係事件の流れ

「児童福祉法28条事件の動向と事件処理の実情」は,裁判所ウェブサイト
https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryou/zihukuhou.html)でご覧になれます。

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