「法曹という仕事」の開催結果について

令和元年7月29日,最高裁判所で「法曹という仕事」というイベントが行われました。このイベントは,最高裁判所,法務省及び日本弁護士連合会が共催して,主に高校生や大学生の皆さんを対象として,裁判官,検察官及び弁護士といった「法曹三者」が,直接,それぞれの役割や仕事のやりがい,魅力などを紹介し,将来の進路選択の一助としてもらうことを目的としたものでした。このようなイベントを最高裁判所において開催するのは初めてのこととなりますが,募集定員である200名を超える多くの学生の方々から参加希望の申込みをいただきました。
イベントは,法曹三者が一堂に会して行われる第一部と,法曹三者がそれぞれ分かれてワークショップを行う第二部との二部構成で行われました。
第一部では,冒頭,池上政幸最高裁判事から,現代社会において司法が紛争を解決する上で法曹三者が果たしている役割(現代の訴訟制度が当事者主義的な構造を採用していることの積極的な意義),法曹三者の仕事のやりがいなどについて基調講話がなされました。

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写真:イベント「法曹という仕事」 池上最高裁判事の講話

その後,法曹三者それぞれから,裁判官,検察官及び弁護士の仕事の概要などについて説明がされた後,パネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションにおいては,本イベントへの参加申込みの際に参加者から募っていた法曹三者に対する質問を基に,「高校や大学時代をどう過ごしていたか,あるいはどう過ごすべきか」「法曹三者それぞれの職業を選んだ理由や,それぞれの職業ならではのやりがい」「社会から求められている法曹の役割」などのテーマについて意見交換がされました。パネリストからは,「日頃から多様な考え方や価値観に出会い,自分の世界を広げていくことが大事」「法曹の仕事を行う上では,共感する力や想像力が重要」「法曹には普遍的な社会正義の実現,といったことが求められているのではないか」といった様々な意見が出され,イベントに参加した学生の皆さんも熱心に耳を傾けていました。

写真:イベント「法曹という仕事」 パネルディスカッションの様子

第二部では,最高裁判所に三つある小法廷に法曹三者が分かれ,それぞれの仕事の実際を紹介するワークショップが行われました。裁判所のワークショップでは,裁判官が個別の紛争について適正な解決を図るに当たっては,裁判所書記官や家庭裁判所調査官といったプロフェッショナルと協働することが重要であり,これが裁判官の仕事の魅力でもあるといった説明がされました。

写真:イベント「法曹という仕事」 ワークショップ(裁判所ブース)の様子

ご参加いただいた学生の皆さんからは,「それぞれの仕事の実情をよりよく知る機会となった」「自分の進路を考える上で有益な機会であった」など,様々なご意見を頂戴しました。ご意見は,今後の広報企画の中にもいかしていきたいと思います。

写真:イベント「法曹という仕事」 集合写真(裁判所ブース)

たくさんのご参加ありがとうございました。

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