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1 憲法週間について
裁判所では、5月3日の憲法記念日を中心とした5月1日から7日までを憲法週間と定めています。これは、憲法の精神や司法の役割を国民の皆さんに理解していただくことを目的とするものです。
当裁判所においても、例年5月頃に各種行事を実施してきたところですが、今般の新型コロナウイルス感染症の感染状況等を踏まえ、本年度の憲法週間行事も集客型の行事の開催を見送り、司法の担い手である裁判所について知っていただく特設ページを設けることとしました。
2 静岡地方裁判所・静岡家庭裁判所で働く裁判官や職員について
「中立公正な立場から、国民の様々な紛争を適正に解決することを通じて、国民の権利や生活を守り、法の秩序を維持する」それが、裁判所の使命です。
憲法週間の機会に、裁判所で司法を担い、支える裁判官と職員を紹介します。
(1) 裁判官
裁判官は、民事事件、刑事事件、家事事件など各事件について、裁判を行います。憲法76条第3項では、裁判官は、憲法や法律に拘束されるほかは、その良心に従って、独立して職権を行うとされています。
ある日の白井裁判官の1日
8:30 登庁、記録検討
10:00 期日(Teamsによるウェブ会議)
12:15 お昼休み
13:00 書記官と打合せ
13:30 期日(法廷での証拠調べ)
17:00 判決起案
18:00 退庁
仕事のやりがい
私は、民事部に所属しており、主に民事事件のうち合議事件を担当しています。民事部には、裁判官・書記官・事務官・速記官が所属しており、それぞれの仕事内容や役割は異なりますが、紛争を適正かつ迅速に解決するため、1つのチームとして仕事をしています。裁判官や立会書記官と些細な会話や打合せをする中で、新たな気付きや学ぶべきことが多くあり、円滑に裁判事務を行うための書記官や事務官の役割は非常に重要であると日々感じています。様々な経験を有する職員と適切に情報を共有し協働することにより、裁判所の役割を果たしていきたいと考えています。
(2) 裁判所書記官
裁判所書記官は、法律の専門家として、固有の権限が与えられた専門職です。その権限に基づき法廷の立会、調書の作成、訴訟上の事項に関する証明などを行います。また、法令や判例を調査したり、訴訟関係人と打合せを行うなどして事件の進行管理なども行っています。
ある日の濱書記官の1日
8:30 登庁、確定記録の整理
9:20 係ミーティング
9:45 開廷準備
10:00 期日立会(数件)
12:15 お昼休み
13:00 調書作成
14:30 訴訟関係人との事前準備
15:00 保釈請求処理
16:00 退庁(育児時間)
仕事のやりがい
刑事立会係の裁判所書記官は、刑事裁判に立ち会いその調書を作成すること以外にも、裁判の事前準備として、審理が充実したものとなるよう裁判官の命を受けて、訴訟関係人と連絡を取り合い、進行に関して確認をしつつ、その準備を促したり、保釈請求等の被告人の人権に関わる身柄に関する事務処理などを行っています。それらの仕事は、裁判所書記官として、裁判官とともに適正迅速な裁判に貢献していると実感することができ、とてもやりがいを感じています。
また、私は育児休業中に裁判所書記官の任官試験を受け、現在は育児時間を取得しながら仕事をしていますが、裁判所では、どの部署でも育児と仕事の両立を支援してくれる環境が整っており、ワークライフバランスを大切にすることができます。
(3)裁判所事務官
裁判所事務官は、裁判部や事務局に配置され、裁判部門では、裁判所書記官のもとで各種の裁判事務に従事し、司法行政部門では、総務、人事、会計といった司法行政事務全般に従事する官職であり、裁判所の円滑な運営のために必要不可欠な存在です。
ある日の貝瀬事務官の1日
8:30 登庁、本日の業務確認
8:45 証明事務・雑事件処理などの書記官業務補助
11:00 郵便受付・配布
12:15 お昼休み
13:00 郵便による申立てられた事件の受付、配転
15:00 庶務的な事務など
17:00 退庁
仕事のやりがいと今後の展望
私は、民事事件の受付業務を主に担当しており、利用者の方々と接する機会が多くあります。裁判所職員は、公正中立な立場で手続案内をする必要がありますので、どちらかの利益になるようなアドバイスはできませんが、不安を抱えながら裁判の手続を始めようとしている方々の話を丁寧に聴き、希望に沿った手続の案内ができた時にはやりがいを感じます。
今後は、裁判所職員総合研修所に入所して書記官を目指し、より専門的な知識を活かして公平、適正、迅速な裁判の実現により貢献できるような職員になりたいと考えています。
(4)家庭裁判所調査官
家庭裁判所調査官は、行動科学の知見等を活用して、家事事件や人事訴訟事件で、子どもの養育状況などに関する調査を行ったり、少年事件で、少年が非行に至った動機や経緯、生育歴、性格、生活環境などの調査をするなど、家庭内の紛争解決や少年の立ち直りに向けた調査活動を行っています。
ある日の河口調査官の1日
8:30 登庁
9:00 少年係の上司や同僚との打合せ
10:00 少年・保護者との調査面接
12:15 お昼休み
13:00 少年・保護者と公園清掃活動
15:30 公園清掃活動の振り返りミーティング
16:00 少年調査票作成
17:00 退庁
仕事のやりがい
私は少年事件を担当しています。調査では、少年や保護者から非行の動機、家庭環境や交友関係等を聴きながら、少年が非行に至った原因や改善すべき点などを一緒に考えていきます。また、少年に社会貢献活動への参加を促すなど教育的な働き掛けを行ったりもします。
調査官は、必要に応じて、少年の家庭や学校等を訪問して調査を進めます。少年の立ち直りという同じ目標に向かって多くの人と連携、協働できるのは、調査官の仕事の魅力の一つです。調査や審判を経て、少年の更生に向けた変化が感じられたときには、大きなやりがいを感じます。
※ 写真撮影のために、一時的にマスクを外しています。
3 裁判官や裁判所職員になるためには
⑴ 裁判官
裁判官は、原則として、司法試験に合格し、司法修習を終えた人の中から任命されます。
詳しくは、法務省のウェブサイトをご覧ください。
⑵ 裁判所書記官
裁判所書記官になるためには、裁判所事務官として採用された後、裁判所職員総合研修所の入所試験に合格し、同
研修所で法学部を卒業した職員は約1年の、法学部以外の学部を卒業した職員は約2年の研修を受ける必要がありま
す。
⑶ 裁判所事務官
裁判所事務官になるためには、裁判所職員採用試験(裁判所事務官)に合格することなどが必要です。法学部以外
の学部出身者も受験し、合格しています。
詳しくは「受験から採用までの流れ」をご覧ください。
⑷ 家庭裁判所調査官
家庭裁判所調査官になるためには、裁判所職員採用試験(家庭裁判所調査官補)に合格することなどが必要です。
詳しくは「受験から採用までの流れ」をご覧ください。
4 お問い合わせ先
静岡地方裁判所・静岡家庭裁判所では、法廷見学や採用試験の説明などの御要望を承っています。
御希望の内容や日時などについて、是非お問合せください。
静岡地方裁判所総務課広報係
電話番号 054-251-6241