民事執行事件の手続案内

民事執行事件の手続案内

1. 私は,友人に対し,100万円を貸したところ,期限までに返済してくれないので,その友人を訴えて,裁判で勝訴判決をもらったのですが,それでも友人は支払ってくれません。どうしたらよいのですか。
1. あなたは,裁判所に強制執行の申立てをすることができます。強制執行とは,相手の財産を差押えて,その財産から債権を回収する手続です。
2. 裁判所が相手の財産を探して,差押えをしてくれるのですか。
2. 強制執行の申立てをする場合,あなたが相手の財産を特定しなければなりません。相手の財産について調査しても不明である場合,裁判所に第三者からの情報取得手続の申立てをすることができます。第三者からの情報取得手続とは,相手以外の第三者(公的機関,金融機関)に対し,相手の財産に関する情報を求める手続です。なお,第三者はあなたが特定しなければなりません。
3. 強制執行の方法について教えてください。
3. 相手の所有する財産のうち,どの財産を差し押さえるかによって,主に次の3つの方法があります。 申立ての方法については,それぞれの執行についてクリックしてください。
(1) 不動産執行
 ア 申立てにより要件が整っていれば,裁判所が強制競売開始決定をし,それに基づいて,法務局備付けの不動産登記簿に「差押え」の登記がされます。
 イ 差し押さえた不動産について,執行官が現地を調査した上, 不動産鑑定士を評価人に選任して評価してもらいます。それらには費用がかかりますが, あなたの方で,申立てのときにあらかじめ予納金として納めなければなりません。原則として, 目的不動産が5筆までなら50万円です。不動産の数が増えれば,予納金の額も増えます。 そして,評価人の評価額に基づいて,裁判所が売却基準価額を定めます。
 ウ 抵当権者等がいた場合,不動産の売却代金の中からあなたより優先して支払を受けることができますので, 残るお金があればあなたに支払われます。ただし,売却基準価額を定めた時点であなたへの支払に 回るお金がない見込みがあれば,強制競売手続が取り消されることがあります。この場合には, 手続にかかった費用は返ってきませんので,注意が必要です。申立てをする前に,優先する抵当権者等がどの程度いて, 不動産の価額がどの程度かは,あらかじめ考える必要があります。
(2) 債権執行
 ア 相手が第三者に対して有しているお金の支払請求権(債権)を差し押さえて,これを取り立てる手続です。
 イ 例えば,相手が働いている場合は,その勤務先から給料をもらいますが, その給料を差し押さえるということになります。ただし,給料は全額差し押さえるとその人の生活が 成り立ちませんので,法律でその4分の1しか差し押さえられないことになっています。 この場合,相手を債務者,勤務先を第三債務者と言います。なお,例えば, 養育費のような扶養義務等にかかる定期金債権に基づいて給料等の継続的債権の差押えを申し立てる場合には, 書式や差押え可能な債権の範囲が異なりますので,ご不明の点については,裁判所にお問い合わせください。
 ウ 差押えの対象としてその他に,主なものとして預金や貯金等が考えられます。 この場合,第三債務者は銀行等ということになります。
 エ 申立て後の手続の流れは次のとおりです。
  差押命令は,裁判所から,まず,第三債務者に対して送達し,送達されたことを確認してから,債務者に送達します。 差押命令を第三債務者が受け取ると,第三債務者は債務者に差押債権の支払ができなくなります。
 債権者は,債務者が差押命令を受け取って1週間が経過すると,差押債権が供託された場合を除き, 第三債務者に対して,直接,差押債権の支払を求めることができます。支払方法については, 直接,債権者の方で第三債務者と打ち合わせすることになります。
(3) 動産執行
 ア 執行官が相手の所有している家財道具,宝石,貴金属類等を差し押さえて,これを第三者に売却してお金に換えて,その代金をあなたに交付する手続です。ただし, 相手の生活必需品は差し押さえることができません。
 イ 執行官が差押えをする際,その動産を売却できるかという点も考慮しますので, 明らかにだれも買わないだろうという物は差押えをしないこともあります。
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