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最高裁判所判例集

事件番号

 平成17(受)1708

事件名

 親子関係不存在確認請求事件

裁判年月日

 平成18年7月7日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 集民 第220号673頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成17(ネ)1222

原審裁判年月日

 平成17年6月22日

判示事項

 戸籍上自己の嫡出子として記載されている者との間の実親子関係について不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨

 戸籍上Xと亡夫との夫婦の嫡出子として記載されているYがXの実子ではない場合において,YとXとの間には,XがYに対して実親子関係不存在確認調停を申し立てるまでの約51年間にわたり実親子と同様の生活の実体があり,その間,XはYがXの実子であることを否定したことがないこと,判決をもって実親子関係の不存在が確定されるとYが軽視し得ない精神的苦痛及び経済的負担を受ける可能性が高いこと,XがYに対して実親子関係不存在確認を求める本件訴訟を提起したのは,上記調停の申立てを取り下げて約10年が経過した後であり,Xが本件訴訟を提起するに至ったことについて実親子関係を否定しなければならないような合理的な事情があるとはうかがわれないことなど判示の事情の下では,上記の事情を十分検討することなく,XがYとの間の上記実親子関係不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断には,違法がある。

参照法条

 民法1条3項,民法772条,人事訴訟法2条2号

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