裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成15(行ヒ)68
- 事件名
裁決取消請求事件
- 裁判年月日
平成18年9月14日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
集民 第221号87頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
平成13(行ケ)401
- 原審裁判年月日
平成14年12月4日
- 判示事項
外国法人から賃借建物の明渡しに関する交渉を依頼された弁護士が相手方から受領した解決金について依頼者に虚偽の報告をしたことなどを懲戒事由としてされた同弁護士に対する所属弁護士会による業務停止3月の懲戒処分が裁量権の逸脱又は濫用に当たらないとされた事例
- 裁判要旨
外国法人から賃借建物の明渡しに関する交渉を依頼された弁護士が,(1)依頼者に対し,既に相手方から受領していた解決金の一部について,いまだ受領していないなどと虚偽の報告をしたこと,及び(2)独断で相手方と再交渉し,追加立退料を受領しながら,依頼者に報告しないで秘匿したことを懲戒事由として,所属弁護士会から業務停止3月の懲戒処分を受けた場合において,上記虚偽報告が外国送金に関する規制を免れるための措置であり,また,上記追加立退料相当額は,支払を受けた後に返還を申し出たが相手方から求められてこれを保管していたものであったとしても,同弁護士はこれらの事情を依頼者に報告していないなど判示の事実関係の下では,同弁護士の行為が弁護士法56条1項所定の「品位を失うべき非行」に当たるとし,業務停止3月の懲戒処分を相当とする旨の判断が社会通念上著しく妥当を欠くものとはいえず,上記懲戒処分が裁量権の逸脱又は濫用に当たるということはできない。
- 参照法条
弁護士法56条1項,弁護士法57条1項
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