裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成19(受)1401
- 事件名
書類引渡等,請求書引渡等請求事件
- 裁判年月日
平成20年7月4日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
集民 第228号443頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
平成19(ネ)877
- 原審裁判年月日
平成19年5月31日
- 判示事項
コンビニエンス・ストアのフランチャイズ・チェーンの運営者が,加盟店に代わって支払った商品仕入代金の具体的な支払内容について,加盟店に報告すべき義務を負うとされた事例
- 裁判要旨
コンビニエンス・ストアのフランチャイズ・チェーンを運営するYとその加盟店の経営者であるXとの間の加盟店基本契約に,XがYの推薦する仕入先からYの提供する発注システムにより商品を仕入れたときはYがXに代わってその委託に基づき商品の仕入代金を支払う旨の定めがあり,これによって仕入代金が支払われたときの支払内容に関するYからXへの報告については何ら定めがない場合において,(1)商品の仕入れは加盟店経営の根幹を成すものであり,Xが自らの仕入代金の具体的な支払内容を知ろうとするのは当然であること,(2)Yには商品の仕入れに関する情報が集約されており,Yがその情報の範囲で上記報告をすることに大きな困難はないこと,(3)上記委託には,Yは費用の前払を受けることなく仕入代金を支払わなければならないなど民法の規定する準委任と比較してYにとって不利益な点もあるが,Yにはこれによって加盟店経営に関する対価の増加を見込めるという利益があることなど判示の事情の下では,上記契約について民法の規定する受任者の報告義務が認められない理由はなく,Yは上記契約に基づきXの求めに応じて上記報告をする義務を負う。
- 参照法条
民法91条,民法645条,民法656条
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