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判示事項
1 上告審における事実誤認の主張に関する審査の方法
2 満員電車内における強制わいせつ被告事件について,被害者とされた者の供述の信用性を全面的に肯定した第1審判決及び原判決の認定が是認できないとされた事例
裁判要旨
1 上告審における事実誤認の主張に関する審査は,原判決の認定が論理則,経験則等に照らして不合理かどうかの観点から行うべきである。
2 被告人が満員電車内で女性Aに対して痴漢行為をしたとされる強制わいせつ被告事件について,被告人が一貫して犯行を否認しており,Aの供述以外にこれを基礎付ける証拠がなく,被告人にこの種の犯行を行う性向もうかがわれないという事情の下では,Aの供述の信用性判断は特に慎重に行う必要があり,Aの供述する被害状況に不自然な点があること(判文参照)などを勘案すると,Aの供述の信用性を全面的に肯定した第1審判決及び原判決の認定は不合理であり是認できない。
(2について補足意見,反対意見がある。)
参照法条
(1,2につき)刑訴法411条3号 (2につき)刑法176条前段,刑訴法317条