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判示事項
貸金業者において,特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが,信義則に反し許されないとした原審の判断に違法があるとされた事例
裁判要旨
貸金業者が,借主に対し,元利金の支払を怠ったときは当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下に3回にわたり金銭の貸付けを行い,各貸付けにつき借主が期限の利益を喪失した後に,一部弁済を受領する都度,弁済金を遅延損害金のみ又は遅延損害金と元金の一部に充当した旨記載した領収書兼利用明細書を交付していた場合において,次の(1)〜(3)の各事実のみから,貸金業者において,上記各貸付けにつき,上記特約に基づき借主が期限の利益を喪失したと主張することが信義則に反し許されないとした原審の判断には,違法がある。
(1) 貸金業者は,借主が期限の利益を喪失した後も元利金の一括弁済を求めず,借主からの一部弁済を受領し続けた。
(2) 上記各貸付けにおける約定の利息の利率と遅延損害金の利率とが同一ないし近似していた。
(3) 貸金業者は,借主が1回目及び2回目の各貸付けについて期限の利益を喪失した後に3回目の貸付けを行った。