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最高裁判所判例集

事件番号

 平成20(受)1427

事件名

 謝罪広告等請求本訴,慰謝料請求反訴事件

裁判年月日

 平成21年10月23日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 集民 第232号127頁

原審裁判所名

 札幌高等裁判所

原審事件番号

 平成19(ネ)213

原審裁判年月日

 平成20年5月16日

判示事項

 特別養護老人ホームの入所者に対して虐待行為が行われている旨の新聞記事が同施設の職員からの情報提供等を端緒として掲載されたことにつき,同施設を設置経営する法人が,複数の目撃供述等が存在していたにもかかわらず,虐待行為はなく上記の情報は虚偽であるとして同職員に対してした損害賠償請求訴訟の提起が,違法な行為とはいえないとされた事例

裁判要旨

 特別養護老人ホームの入所者に対して虐待行為が行われている旨の新聞記事が同施設の職員からの情報提供等を端緒として掲載されたことにつき,同施設を設置経営する法人が,虐待行為につき複数の目撃供述等が存在していたにもかかわらず,虐待行為はなく上記の情報は虚偽であるとして同職員に対し損害賠償請求訴訟を提起した場合であっても,(1)虐待行為をしたとされる職員が一貫してこれを否認していたこと,(2)情報提供者である職員の目撃状況についての報告内容につき同施設の施設長は矛盾点があると感じていたこと,(3)入所者の身体に暴行のこん跡があったとの確たる記録もなく,後に公表された市の調査結果においても個別の虐待事例については証拠等により特定するには至らなかったとされたことなど判示の事実関係の下においては,同訴訟の提起は違法な行為とはいえない。

参照法条

 民法709条,民訴法第2編第1章

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