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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和42(あ)1078

事件名

 建造物侵入、暴力行為等処罰に関する法律違反、建造物損壊

裁判年月日

 昭和43年1月18日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第22巻1号32頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所  金沢支部

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和42年3月25日

判示事項

 いわゆる闘争手段としてのビラ貼り行為が刑法第二六〇条の建造物損壊および同法第二六一条の器物損壊に該当するとされた事例

裁判要旨

 会社の労働組合執行委員長等の地位にある被告人らが、多数の労働組合員と共謀のうえ、会社当局に対するいわゆる闘争手段として、四つ切大の新聞紙等に要求事項を記載したビラを、会社本社の二階事務室に至る階段の壁、同事務室の壁、社長室の扉の外側、同室内部の壁に約五〇枚、同事務室の窓ガラス、入口引戸、書棚、社長室の窓ガラス、衝立に約三〇枚、それぞれ糊を用いて貼りつけ、これらのビラの大部分を会社側がはがしたあとに合計五〇枚の同様のビラを貼りつけ、更にその大部分を会社側がはがしたあとに合計六〇枚の同様のビラを貼りつけ、更にその一部分を会社側がはがしただけで相当数が残存しているところに重複して合計約八〇枚の同様のビラを貼りつけた行為は、原審の認定した事実関係(原判文参照)のもとにおいては、刑法第二六〇条の建造物損壊および同法第二六一条の器物損壊に該当する。

参照法条

 刑法260条,刑法261条

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