裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和49(あ)1709
- 事件名
公職選挙法違反
- 裁判年月日
昭和52年2月24日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第31巻1号1頁
- 原審裁判所名
仙台高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和49年5月14日
- 判示事項
一、推薦候補者決定の事実を団体構成員に伝達する行為と公職選挙法一六六条にいう「選挙運動のためにする演説との関係
二、公職選挙法一六六条の規定に違反した演説が同法二四三条一〇号の罪の違法性に欠けるとろこがないとされた事例
三、公職選挙法一四二条一項の規定に違反した文書の頒布が同法二四三条三号の罪の違法性に欠けるところがないとされた事例
- 裁判要旨
一 推薦候補者決定の事実を団体構成員に伝達するための演説は、それが内部行為に止まるなど特別の事情のない限り、公職選挙法一六六条にいう選挙運動のためにする演説にあたる。
二 衆議院議員総選挙に際し、特定の候補者に当選を得させる目的で、地方公共団体の所有するスポーツセンター建物内において開催された市役所職員家族慰安会午前の部の席上で、約六〇〇〇名の入場者に対し挨拶をした際、「市労連が甲候補を推薦しているのでよろしくお願いする」旨の演説をした行為(判文参照)、及び同慰安会午後の部の席上で、約五〇〇〇名の入場者に対し挨拶をした際、同趣旨の演説をした行為(判文参照)は、いずれも公職選挙法二四三条一〇号の罪の違法性に欠けるところはない。
三 衆議院議員総選挙に際し、特定の候補者に当選を得させる目的で、市役所職員家族慰安会に入場しようとする者に対し、同選挙における市労連の推薦候補者甲に投票を求める趣旨の文章を含めて印刷記載した法定外文書を一枚ずつ、合計五〇〇〇枚頒布した行為(判文参照)は、公職選挙法二四三条三号の罪の違法性に欠けるところはない。
- 参照法条
公職選挙法142条1項,公職選挙法166条,公職選挙法243条3号,公職選挙法243条10号
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