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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和45(オ)658

事件名

 居室明渡等請求

裁判年月日

 昭和48年10月26日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第27巻9号1240頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和43(ネ)469

原審裁判年月日

 昭和45年5月6日

判示事項

 新会社が旧会社と法人格を異にするとの実体法上および訴訟法上の主張が信義則に反し許されないとされた事例

裁判要旨

 株式会社の代表取締役が、会社が賃借している居室の明渡し、延滞賃料等の債務を免れるために、会社の商号を変更したうえ、旧商号と同一の商号を称し、その代表取締役、監査役、本店所在地、営業所、什器備品、従業員が旧会社のそれと同一で、営業目的も旧会社のそれとほとんど同一である新会社を設立したにもかかわらず、右商号変更および新会社設立の事実を賃貸人に知らせなかつたため、賃貸人が、右事実を知らないで、旧会社の旧商号であり、かつ、新会社の商号である会社名を表示して、旧会社の債務の履行を求める訴訟を提起したところ、新旧両会社の代表取締役を兼ねる者が、これに応訴し、一年以上にわたる審理の期間中、商号変更、新会社設立の事実についてなんらの主張もせず、かつ、旧会社が居室を賃借したことを自白するなど原判示のような事情(原判決理由参照)のもとにおいては、その後にいたつて同人が新会社の代表者として、新旧両会社が別異の法人格であるとの実体法上および訴訟法上の主張をすることは、信義則に反し許されない。

参照法条

 民法1条2項,民法33条,商法52条,民訴法第1編第4章第1節

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