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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和46(オ)678

事件名

 遺言無効確認請求

裁判年月日

 昭和47年3月17日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第26巻2号249頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

 昭和45(ネ)71

原審裁判年月日

 昭和46年4月20日

判示事項

 一、いわゆる危急時遺言の遺言書における日附と遺言の効力
二、いわゆる危急時遺言の遺言書に対する証人の署名捺印が遺言者の面前でなされなかつた場合に遺言の効力が認められた事例

裁判要旨

 一、いわゆる危急時遺言の遺言書に遺言をした日附ないしその証書の作成日附を記載することは遺言の有効要件ではなく、遺言書に作成の日として記載された日附が正確性を欠いていても、遺言は無効ではない。
二、いわゆる危急時遺言において、筆記者である証人が筆記内容を清書した書面に遺言者の現在しない場所で署名捺印をし、他の証人二名の署名を得たうえ、全証人の立会いのもとに遺言者に読み聞かせ、その後、遺言者の現在しない、遺言執行者に指定された者の法律事務所で右証人二名が捺印をし、もつて全証人の署名捺印が完成した場合であつても、その署名捺印が、原判示(原判決理由参照)のように、筆記内容に変改を加えた疑いを挾む余地のない事情のもとに遺言書作成の一連の過程に従つて遅滞なくなされたものであるときは、その署名捺印は民法九七六条の方式に則つたものとして、遺言の効力を認めるに妨げない。

参照法条

 民法976条

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