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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和53(行ツ)29

事件名

 未払賃金

裁判年月日

 昭和58年6月13日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第37巻5号636頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和47(行コ)68

原審裁判年月日

 昭和52年11月29日

判示事項

 ロツクアウトが違法とされた事例

裁判要旨

 A原子力研究所の労働組合が、D研究所における動力試験炉の連続運転に関する交替制の勤務体制の変更に反対して、二四時間を三分した勤務時間帯の一つに勤務すべき組合員につき連日ストライキを実施し、これにより動力試験炉の運転が完全に停止することとなつたため、A原子力研究所はこれに対抗して右動力試験炉の管理部門に所属する組合員に対しロックアウトを行つたが、右勤務体制の変更は労働協約に違反し労働条件を不利益に変更するものであり、これに関する労使間の交渉経過からみて労働組合の態度のみを一方的に非難することはできず、また、右ストライキは目的、態様において不当又は不公正なものとはいえず、これにより同研究所の被る損失、打撃の程度もさほど大きなものではないなど、判示の事実関係のもとにおいては、使用者側が、ロックアウトの開始時においても、その後においても、著しく不利な圧力を受けるような場合であつたとはいえず、右ロックアウトは、労使間の勢力の均衡を回復するための対抗防衛手段として相当性を欠き、違法である。

参照法条

 労働組合法8条,労働関係調整法7条

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