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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和58(オ)1406

事件名

 仮払金返戻請求事件

裁判年月日

 昭和63年3月15日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第42巻3号170頁

原審裁判所名

 広島高等裁判所

原審事件番号

 昭和56(ネ)349

原審裁判年月日

 昭和58年9月7日

判示事項

 一 賃金の仮払を命ずる仮処分の執行後に仮処分命令が控訴審で取り消された場合と仮処分債務者の仮払金返還請求権
二 賃金の仮払を命ずる仮処分の執行に係る仮払金の返還請求訴訟と仮処分債権者が本案訴訟で訴求中の賃金債権を自働債権とする相殺の抗弁の許否

裁判要旨

 一 賃金の仮払を命ずる仮処分の執行後に仮処分命令が控訴審で取り消された場合には、本案訴訟が未確定であり、又は従業員としての地位保全の仮処分が同時に発せられていたときであつても、仮処分債務者は、特段の事情がない限り、仮処分債権者に対し仮払金の返還請求権を取得し、その返還義務の範囲は不当利得の規定に準じてこれを定めるべきである。
二 賃金の仮払を命ずる仮処分の執行に係る仮払金の返還請求訴訟において、仮処分債権者が本案訴訟で訴求中の賃金債権を自働債権とする相殺の抗弁を提出することは許されない。

参照法条

 民法505条,民法703条,民法704条,民訴法198条2項,民訴法199条2項,民訴法231条,民訴法756条ノ2,民訴法760条

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