裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成11(許)2
- 事件名
文書提出命令に対する許可抗告事件
- 裁判年月日
平成11年11月12日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
民集 第53巻8号1787頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
平成10(ウ)774
- 原審裁判年月日
平成10年11月24日
- 判示事項
一 民訴法二二〇条四号ハ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たる場合
二 銀行の貸出稟議書と民訴法二二〇条四号ハ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」
- 裁判要旨
一 ある文書が、その作成目的、記載内容、これを現在の所持者が所持するに至るまでの経緯、その他の事情から判断して、専ら内部の者の利用に供する目的で作成され、外部の者に開示することが予定されていない文書であって、開示されると個人のプライバシーが侵害されたり個人ないし団体の自由な意思形成が阻害されたりするなど、開示によって所持者の側に看過し難い不利益が生ずるおそれがあると認められる場合には、特段の事情がない限り、当該文書は民訴法二二〇条四号ハ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たる。
二 銀行において支店長等の決裁限度を超える規模、内容の融資案件について本部の決裁を求めるために作成され、融資の内容に加えて、銀行にとっての収益の見込み、融資の相手方の信用状況、融資の相手方に対する評価、融資についての担当者の意見、審査を行った決裁権者が表明した意見などが記載される文書である貸出稟議書は、特段の事情がない限り、民訴法二二〇条四号ハ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たる。
- 参照法条
民訴法220条4号
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