裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成12(行ヒ)96
- 事件名
損害賠償請求事件
- 裁判年月日
平成16年7月13日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
その他
- 判例集等巻・号・頁
民集 第58巻5号1368頁
- 原審裁判所名
名古屋高等裁判所
- 原審事件番号
平成8(行コ)35
- 原審裁判年月日
平成11年12月27日
- 判示事項
1 普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表して行う契約の締結と民法108条の類推適用
2 普通地方公共団体の議会が長による民法108条に違反する契約締結行為を追認した場合における当該行為の法律効果の帰属
3 市の事業である博覧会の開催運営等を行った財団法人と市との間でされた博覧会の施設等の売買契約の締結につき市長等に裁量権の逸脱,濫用があるとした原審の判断に違法があるとされた事例
- 裁判要旨
1 普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表して行う契約の締結には,民法108条が類推適用される。
2 普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表するとともに相手方を代理し又は代表して契約を締結した場合において,議会が長による上記行為を追認したときは,民法116条の類推適用により,当該普通地方公共団体に法律効果が帰属する。
3 市の事業である博覧会の準備及び開催運営を行うことを唯一の目的として設立された財団法人が上記事務を行ったが,博覧会の入場料収入等だけではその開催運営経費を賄いきれないことから,市がその収支の赤字を回避する目的で当該法人との間で博覧会の施設及び物品を買い受ける旨の契約を締結したことにつき,市が当該法人に博覧会の具体的な準備及び開催運営を行うことをゆだねたものとして両者間に実質的にみて準委任的な関係が存したものと解する余地があり,市に上記赤字を補てんする法的義務があると解する余地も否定することができないという事情の下においては,博覧会の準備及び開催運営に関する両者の関係の実質,当該法人が行った博覧会の準備及び開催運営の内容並びにこれに関して支出された費用の内訳を確定することなく,市長及びその代決者に裁量権の逸脱,濫用があるとした原審の判断には,違法がある。
(1につき補足意見がある。)
- 参照法条
地方自治法(平成11年法律第87号による改正前のもの)96条,地方自治法147条,地方自治法149条,地方自治法(平成14年法律第152号による改正前のもの)234条,民法108条,民法113条1項,民法116条,民法650条,民法656条
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