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最高裁判所判例集

事件番号

 平成7(オ)793

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成12年2月7日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 民集 第54巻2号255頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成5(ネ)1858

原審裁判年月日

 平成6年11月30日

判示事項

 殺人事件の被害者の両親が加害者とされる少年らの親権者に対して提起した損害賠償請求訴訟において捜査機関等に対する自白に依拠して少年らを殺人等の犯人であるとした認定に経験則違反の違法があるとされた事例

裁判要旨

 殺人事件の被害者の両親が加害者とされる少年らの親権者に対して提起した損害賠償請求訴訟において、殺人行為等に関する少年らの捜査機関等に対する自白が極めて詳細かつ具体的であり、その内容が各少年とも大筋において一致し、互いに補強し補完し合うものであっても、右自白には、いわゆる秘密の暴露がなく、一部に捜査官の誤導による可能性の高い明らかな虚偽の部分が含まれ、犯行事実の中核的な部分について変遷が見られる上、自白を裏付ける客観的証拠がほとんど見られず、自白が真実を述べたものであればあってしかるべき証拠が発見されていないなど判示の事情の下においては、自白の信用性について慎重に検討することなく、右自白に依拠して少年らが殺人等の犯人であるとした原審の認定には、経験則違反の違法がある。
(意見がある。)

参照法条

 民法709条,民訴法247条,刑訴法317条

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