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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和45(オ)942

事件名

 建物収去土地明渡請求

裁判年月日

 昭和47年11月16日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第26巻9号1603頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和42(ネ)2575

原審裁判年月日

 昭和45年6月8日

判示事項

 一、賃貸借契約における信義則上の義務違反と契約解除
二、用方違反または信義則上の義務違反を理由とする賃貸借契約の解除が認められなかつた事例

裁判要旨

 一、賃貸借契約の当事者の一方が、右契約に基づき信義則上当事者に要求される義務に違反して、その信頼関係を破壊することにより、賃貸借関係の継続を著しく困離ならしめたときは、他方の当事者は、催告なくして賃貸借契約を解除することができる。
二、建物所有を目的とする土地賃貸借契約の賃借人が、借地の約半分にあたる空地をトラツク置場とし、無免許で自動車運送事業を営み、また、そのトラツクが完全に格納できずに公道上に約一メートルはみ出し公衆の通行を妨害している場合においても、格納を完全にするための工事が比較的容易であり、近隣や歩行者から苦情が出たこともない等原判示の事情(原判決理由参照)のもとにおいては、賃貸人は、用法違反または信義則上の義務違反を理由として、賃貸借契約を解除することはできない。

参照法条

 民法541条,民法594条1項,民法601条,民法616条

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