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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和57(オ)1392

事件名

 土地所有権移転登記手続

裁判年月日

 昭和60年11月29日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第39巻7号頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

 昭和56(ネ)352

原審裁判年月日

 昭和57年9月21日

判示事項

 一 水産業協同組合法四五条の準用する民法五四条にいう「善意」の意義
二 水産業協同組合法四五条の準用する民法五四条の「善意」の主張・立証責任
三 漁業協同組合の理事の行為と民法一一〇条の類推適用

裁判要旨

 一 水産業協同組合法四五条の準用する民法五四条にいう「善意」とは、理事の代表権に制限を加える定款の規定又は総会の決議の存在を知らないことをいうと解すべきである。
二 水産業協同組合法四五条の準用する民法五四条の「善意」の主張・立証責任は第三者にあるものと解すべきである。
三 第三者が水産業協同組合法四五条の準用する民法五四条にいう善意であるとはいえない場合であつても、第三者において、漁業協同組合の理事が当該具体的行為につき同組合を代表する権限を有するものと信じ、かつ、このように信じるにつき正当の理由があるときは、民法一一〇条を類推適用し、同組合は右行為につき責任を負うものと解するのが相当である。

参照法条

 水産業協同組合法45条,民法53条,民法54条,民法110条

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