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最高裁判所判例集

事件番号

 平成6(オ)1102

事件名

 商標権侵害禁止等

裁判年月日

 平成9年3月11日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第51巻3号1055頁

原審裁判所名

 高松高等裁判所

原審事件番号

 平成4(ネ)120

原審裁判年月日

 平成6年3月28日

判示事項

 一 フランチャイズチェーンの名称と商標法二六条一項一号にいう自己の名称
二 「小僧」なる登録商標と「小僧寿し」、「KOZO ZUSHI」等の文字標章が類似しないとされた事例
三 「小僧」なる登録商標と「(図形標章は末尾添付)」等の図形標章が類似しないとされた事例
四 商標法三八条二項に基づく損害賠償請求に対する損害不発生の抗弁の可否

裁判要旨

 一 フランチャイズ契約により結合し全体として組織化された企業グループ(フランチャイズチェーン)の名称は、商標法二六条一項一号にいう自己の名称に当たる。
二 「小僧寿し」が著名なフランチャイズチェーンの略称として需要者の間で広く認識されている場合において、右フランチャイズチェーンにより使用されている「小僧寿し」、「KOZO ZUSHI」等の文字標章は、標章全体としてのみ称呼、観念を生じ、「小僧」又は「KOZO」の部分から出所の識別表示としての称呼、観念を生じないものであって、「小僧」なる登録商標と類似しない。
三 著名なフランチャイズチェーンによりその名称又は略称である「小僧寿しチェーン」又は「小僧寿し」と共に継続して使用されている「(図形標章は末尾添付)」等の図形標章は、「コゾウズシ」又は「コゾウスシ」の称呼を生ずる余地があるとしても、「小僧」なる登録商標との間で商品の出所混同を生ずるおそれがなく、右登録商標と類似しない。
四 商標権者からの商標法三八条二項に基づく損害賠償請求に対して、侵害者は、損害の発生があり得ないことを抗弁として主張立証して、損害賠償の責めを免れることができる。

参照法条

 商標法26条1項1号,商標法(平成3年法律第65号による改正前のもの)37条,商標法38条2項

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