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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和35(オ)563

事件名

 土地明渡請求

裁判年月日

 昭和40年3月9日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第19巻2号233頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和35年3月5日

判示事項

 所有権に基づく土地明渡請求が権利の濫用であるとされた事例。

裁判要旨

 国が所有者から賃借して占領軍に提供し、空軍基地地域の一部として使用させていた土地を、占領状態終結とともに、契約期間の満了によつて賃借権を失つた後も、引き続き、駐留軍に提供して使用させている場合において、国の駐留軍に対する右提供が条約上の義務履行としてなされているものであり、かつ、右土地が現にガソリンの地下貯蔵設備の用地として使用されていて、その明渡によつて所有者の受ける利益に比し国のこうむる損害がより大である等判示の事情があるときは、所有者の国に対する右土地明渡請求は、私権の本質である社会性、公共性を無視する過当な請求として許されないものと解するのが相当である。

参照法条

 民法1条,民法206条

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