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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和51(オ)541

事件名

 賃金

裁判年月日

 昭和55年4月11日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第34巻3号330頁

原審裁判所名

 広島高等裁判所

原審事件番号

 昭和45(ネ)254

原審裁判年月日

 昭和51年2月9日

判示事項

 一 ロックアウトが違法とされた事例
二 ロックアウトの一部を部分ロックアウトとして可分的に効力を判断することが許されないとされた事例

裁判要旨

 一 一般放送事業等を営む株式会社の労働組合が十数波にわたる時限ないし指名ストライキ及び放送業務の中枢部門における新勤務拒否闘争等の争議行為を行つたが、会社はこれらのストライキの一部を事前に予測して応急措置を講ずることができ、また、新勤務拒否闘争によつて具体的な放送業務の障害又は放送事故は発生せず、そのような事故等の発生する具体的な緊迫した危険もなかつたなど、判示の事実関係のもとでは、ロックアウト突入当時の会社の全部門の観点からみれば、いまだ労使の勢力の均衡が破れて使用者側が著しく不利な圧力を受けている情勢にあつたということはできず、右争議行為に対して会社が本柱社屋全体についてした全面ロックアウトは、組合の争議行為に対する対抗防衛手段として相当性を欠き、違法である。
二 会社が本社社屋の重要部分をバリケード及び有刺鉄線で囲んで組合員の立入りを禁止したなど判示の事実関係のもとでは、本社社屋全体について一体不可分のロックアウトがされたものというべきであるから、本件ロックアウトの一部を部分ロックアウトとして可分的にその効力を判断することは許されない。

参照法条

 労働組合法8条,労働関係調整法7条

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