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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和45(オ)297

事件名

 損害賠償請求

裁判年月日

 昭和50年11月28日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第29巻10号1554頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 昭和38(ネ)1289

原審裁判年月日

 昭和44年12月15日

判示事項

 一、国際的裁判の合意の方式
二、外国の裁判所を専属管轄裁判所与る国際的専属的裁判管轄の合意
三、船荷証券に基づく国際的専属的裁判管轄の合意が公序違反として無効とはいえないとされた事例

裁判要旨

 一、国際的裁判管轄の合意は、両当事者の署名のある書面によつてされることを要せず、特定国の裁判所を管轄裁判所として明示的に指定する当事者の一方が作成した書面に基づいて締結されれば足りる。
二、ある訴訟事件についてわが国の裁判権を排除し特定の外国の裁判所を第一審の専属的管轄裁判所と指定する国際的専属的裁判管轄の合意は、当該事件がわが国の裁判権に専属的に服するものではなく、かつ指定された外国の裁判所がその外国法上当該事件につき管轄権を有する場合には、原則として有効であり、その外国法上右合意が有効とされること又は当該外国裁判所の判決につき相互の保証のあることを要しない。
三、国際海上物品運送契約に基づく荷主の運送人に対する損害賠償請求訴訟につき、国際的海運業者である被告の本店のあるオランダ国の裁判所を第一審の専属的管轄裁判所と指定する国際的専属的裁判管轄の合意は、たとえそれが被告の発行した船荷証券上の管轄約款に基づくものであり、また、右合意に従うとき荷主の負うこととなる費用及び手数が増大するとしても、それだけでは公序違反として無効とはいえない。

参照法条

 民法1条,民法90条,民法521条,民訴法25条,民訴法200条4号,民訴法515条,1924年8月25日にブラツセルで署名された船荷証券に関するある規則の統一のための国際条約3条8項,国際海上物運送法15条1項

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