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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和45(オ)540

事件名

 金員返還請求

裁判年月日

 昭和49年9月26日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 民集 第28巻6号1243頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和42(ネ)1887

原審裁判年月日

 昭和45年3月20日

判示事項

 一、金銭を騙取又は横領された者の損失と騙取又は横領した者より債務の弁済を受けた者の利得との間に不当利得における因果関係がある場合
二、騙取又は横領した金銭により債務の弁済を受けた者の悪意又は重過失と不当利得における法律上の原因

裁判要旨

 一、甲が、乙から騙取又は横領した金銭を、自己の金銭と混同させ、両替し、銀行に預け入れ、又はその一部を他の目的のため費消したのちその費消した分を別途工面した金銭によつて補填する等してから、これをもつて自己の丙に対する債務の弁済にあてた場合でも、社会通念上乙の金銭で丙の利益をはかつたと認めるに足りる連結があるときは、乙の損失と丙の利得との間には、不当利得の成立に必要な因果関係があると解すべきである。
二、甲が乙から騙取又は横領した金銭により自己の債権者丙に対する債務を弁済した場合において、右弁済の受領につき丙に悪意又は重大な過失があるときは、丙の右金銭の取得は、乙に対する関係においては法律上の原因を欠き、不当利得となる。

参照法条

 民法703条

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