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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和51(オ)1249

事件名

 損害賠償

裁判年月日

 昭和57年4月1日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 民集 第36巻4号519頁

原審裁判所名

 広島高等裁判所  岡山支部

原審事件番号

 昭和48(ネ)63

原審裁判年月日

 昭和51年9月13日

判示事項

 一 公務員による一連の職務上の行為の過程において他人に被害を生ぜしめたが具体的な加害行為を特定することができない場合と国又は公共団体の損害賠償責任
二 保健所に対する国の嘱託に基づいて国家公務員の定期健康診断の一環としての検診を行つた保健所勤務の医師の行為に過誤があつた場合と受診者に対する国の損害賠償責任の有無

裁判要旨

 一 国又は公共団体に属する一人又は数人の公務員による一連の職務上の行為の過程において他人に被害を生ぜしめた場合において、それが具体的にどの公務員のどのような違法行為によるものであるかを特定することができなくても、右の一連の行為のうちのいずれかに故意又は過失による違法行為があつたのでなければ右の被害が生ずることはなかつたであろうと認められ、かつ、それがどの行為であるにせよ、これによる被害につき専ら国又は当該公共団体が国家賠償法上又は民法上賠償責任を負うべき関係が存在するときは、国又は当該公共団体は、加害行為の不特定の故をもつて右損害賠償責任を免れることはできない。
二 保健所に対する国の嘱託に基づいて地方公共団体の職員である保健所勤務の医師が国家公務員の定期健康診断の一環としての検診を行つた場合において、右医師の行つた検診又はその結果の報告に過誤があつたため受診者が損害を受けても、国は、国家賠償法一条一項又は民法七一五条一項の規定による損害賠償責任を負わない。

参照法条

 民法715条1項,国家賠償法1条1項

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