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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和31(オ)364

事件名

 損害賠償請求

裁判年月日

 昭和36年1月24日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第15巻1号35頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和30年11月12日

判示事項

 一 死者の活動年令期の算定。
二 労働基準法第七九条の補償と民法第四二二条。
三 民法第七一五条の使用者責任の認められる事例。

裁判要旨

 一 死者の活動年令期は、死者の経歴、年令、職業、健康状態その他の具体的事情を考慮して算定することができ、必ずしも統計による生命表の有限平均余命の数値に拘束されない。
二 労働者の死亡について第三者が不法行為に基づく損害賠償責任を負担する場合には、労働基準法第七九条に基づく補償義務を履行した使用者は、民法第四二二条の類推により、その履行した時期及び程度で遺族に代位して第三者に対し賠償請求権を取得する。
三 専ら貨物運送を業とする会社の被用者である貨物自動車運転者が、貨物運送にあたりたまたま他人に同乗を許したため、運転者の過失により惹き起された事故において右の者が死亡するに至つた場合であつても、右同乗が運転者との個人的関係に基づくものでなく、荷受会社の集荷課長として積荷の受渡を便にするためのものであつたときは、右運送会社は民法第七一五条の責任を負うと解すべきである。

参照法条

 民法185条,民法709条,民法422条,民法715条,労働基準法79条

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