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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和40(行ツ)73

事件名

 テレビジョン放送局の開設に関する予備免許処分・同免許申請棄却処分並びにこれが異議申立棄却決定取消請求

裁判年月日

 昭和43年12月24日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第22巻13号3254頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和39(行ケ)7

原審裁判年月日

 昭和40年6月1日

判示事項

 一、競願関係にある者の一人に免許が付与され他にこれが拒否された場合と取消訴訟の提起
二、競願関係にある者の一人に免許が付与され当該免許期間が満了して再免許が付与された場合と免許処分等の取消訴訟の利益
三、電波法九四条第二項にいう「電波監理審議会が認定した事実」の意味
四、電波法第九四条による郵政大臣の決定に前項の認定事実の記載を欠く場合と裁判所独自の証拠調による事実の確定の許否

裁判要旨

 一、甲および乙が競願関係にある場合において、甲の免許申請が拒否され、乙に免許が付与されたときは、甲は、乙に対する免許処分の取消訴訟を提起することができるほか、自己に対する拒否処分のみの取消訴訟を提起することができる。
二、甲が、乙に対する免許処分の取消を訴求する場合および自己に対する拒否処分の取消を訴求する場合において、当該免許期間が満了しても、乙が再免許を受けて免許事業を継続しているときは、甲の提起した訴訟の利益は失われない。
三、甲および乙が同一周波の免許をめぐつて競願関係にあり、甲が自己に対する免許拒否処分を不服として異議申立をした場合に、電波法第九四条に基づく郵政大臣の決定書に記載すべき「電波監理審議会が認定した事実」とは、当該免許にかかる放送実施の確実性および放送の公正かつ能率的普及への適合の度合について、両者の優劣を比較考量するに足りる具体的事実をいうものと解すべきである。
四、前項の場合において、郵政大臣の決定書に甲および乙の優劣を比較考量するに足りる具体的事実の記載がないときに、裁判所が、あらたな証拠調によつてみずから自由に事実を確定し、これに基づいて右決定書に表示された電波監理審議会の判断の適否を審査することは許されない。

参照法条

 行政事件訴訟法9条,電波法94条,電波法99条

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