裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和41(オ)1116
- 事件名
損害賠償請求同附帯上告事件
- 裁判年月日
昭和44年2月6日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
民集 第23巻2号195頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
昭和39(ネ)1463
- 原審裁判年月日
昭和41年7月14日
- 判示事項
一、水虫の治療方法たるレントゲン線照射が皮膚癌発生の主要な原因となつているとされた事例
二、前項の場合においてレントゲン線照射により水虫の治療をした医師の過失が認められた事例
- 裁判要旨
一、水虫の治療として約二年三箇月の間に前後四四回にわたり罹患部分に合計五〇四〇レントゲン一線量の照射を加え、皮膚癌が、その照射部分についてのみ発生した等原判決の確定した事実関係(原判決理由参照)のもとでは、右皮膚癌の発生には、前記レントゲン線照射がその主要な原因となつているものと認めるのが相当である。
二、前項の場合において、水虫の治療にあたつた医師が、根治療法ではなく対症療法にすぎないレントゲン線照射を患者の左右足蹠について行ない、皮膚癌の発生の危険を伴わないとされていた線量をはるかにこえる合計五〇四〇レントゲン線量を照射し、しかも、他の医師によりレントゲン線照射による皮膚障害を発見されではじめて中止した等原判決の確定した事実関係(原判決理由参照)のもとでは、前記医師は、業務上の注意義務を怠つた過失があるというべきである。
- 参照法条
民法709条,国家賠償法1条
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