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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和53(オ)400

事件名

 建物収去土地明渡

裁判年月日

 昭和56年3月20日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 民集 第35巻2号219頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

 昭和50(ネ)358

原審裁判年月日

 昭和52年12月13日

判示事項

 一 当事者双方不出頭の口頭弁論期日における弁論終結の際の判決言渡期日指定の告知

二 土地所有者が地代の受領を拒絶し又はこれを受領しない意思が明確であるため地上権者において提供をするまでもなく債務不履行の責を免れる事情にある場合と民法二六六条一項二七六条に基づく地上権消滅請求

裁判要旨

 一 当事者双方不出頭の口頭弁論期日において弁論を終結するに際し、裁判長が法廷において判決言渡期日を指定し、これを告知する方法としてその言渡をしたときは、当事者に対してその効力を生じ、更に右期日に出頭すべき旨の呼出状を送達することを要しない。

二 土地所有者が地代の受領を拒絶し又は地上権の存在を否定する等弁済を受領しない意思が明確であるため地上権者が言語上の提供をするまでもなく地代債務の不履行の責を免れるという事情がある場合には、土地所有者は、みずから受領拒絶の態度を改め、以後地代を提供されればこれを確実に受領すべき旨を明らかにしたのち相当期間を経過したか、又は相当期間を定めて催告をしたにもかかわらず地上権者が右期間を徒過した等、自己の受領遅滞又はこれに準ずる事態を解消させる措置を講じたのちでなければ、民法二六六条一項、二七六条に基づく地上権消滅請求の意思表示をすることができない。

参照法条

 民訴法190条2項,民訴法207条,民法266条1項,民法276条

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